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2014.12.02

教養学科芸術専攻音楽コースが毎年恒例の定期演奏会を開催

 教養学科芸術専攻音楽コースによる定期演奏会が,11月25日(火)にいずみホールで開催されました。毎年恒例の演奏会で,今回が58回目です。開演前には,フルートとクラリネットアンサンブルによるロビーコンサートがあり,来場客を歓迎しました。
 演奏会では,本学外国人教師ヤニック・パジェの指揮のもと,ベルリオーズの「悲歌作品18」,ラフマニノフの「ピアノ協奏曲第2番ハ短調作品18」,チャイコフスキーの「交響曲第6番作品74『悲愴』」の3曲が演奏されました。いずれの曲も生への葛藤や死の訪れなど,“生と死”を基調としています。
 ラフマニノフの協奏曲では山畑誠准教授がピアノを独奏し,繊細な旋律が観客を魅了しました。この曲は三つの楽章で構成されており,精神の危機から華麗なる復活を遂げたラフマニノフそのもののように,暗く重厚感漂う第一楽章から華々しく完結する第三楽章へと,楽章ごとで表情が変わります。山畑准教授は「ロシア音楽の雄大さや情緒,そしてラフマニノフ特有の哀愁漂う旋律を堪能でき,幸せな時間を持つことが出来ました。聴衆の皆さまも楽しんで下さったのではないでしょうか。指揮者や学生オーケストラに,ともに音楽を創り上げることが出来たことを感謝しています」と語りました。クラリネットを演奏した学生は「死という概念を演奏で表現する,これまでにないテーマの構築に試行錯誤しました。山畑先生の音色から作品の情景が浮かんできて,その表現力に感嘆しました」と感想を述べました。
 また,チャイコフスキーの交響曲ではドラマチックな曲の展開の後,最後に静かに曲を閉じた後も,指揮者が棒を下すまでのしばらくの間静寂が続き,会場が一体となりました。
 小雨が降る中,ホールには800人を超える人が駆けつけ,演奏に温かい拍手を送っていました。観客の一人からは「今回は趣向が変わり,ゆったりと落ち着いた曲が多かったので,一つひとつの音に注目できました。その分,演奏される方は難しかったと思いますが,オーケストラが一体となって丁寧に音を奏でていました」との声が聞かれました。

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(総務企画課)