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2014.11.28

理科教育専攻の学生が日本理科教育学会近畿支部大会で学生賞に輝く

 理科教育専攻小学校コース4回生の村上貴彦さんが,11月15日(土)に開催された,平成26年度日本理科教育学会近畿支部大会(於 兵庫教育大学)において,特に優れた研究発表に対して贈られる学生賞(口頭発表部門)に輝きました。発表題目は「学校のコケ植物の教材化に向けた基礎的研究―蘇類5種の繁殖季節に注目して―」です。
 コケ植物の観察は,現行の中学校理科の学習指導要領において実施が求められていますが,現状の実施率はとても低いことが明らかになっています。研究ではこれを受けて,学校内によく生育しているコケ植物5種類を毎月採集して標本を観察し,胞子体や造精器・造卵器の発達時期を詳細に調査しました。

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 さらに採集した胞子を培養し,胞子の発芽から造精器・造卵器の成長,受精,胞子体の成長を経て胞子分散に至るまでのコケ植物の一生を生活環として図にまとめました。身近なコケ植物の受精や胞子分散の時期が特定できたことにより,学校現場での活用が容易になり,コケ植物の観察実施率の向上が期待できます。
 受賞にあたって村上さんは「写真や図表を駆使して,授業を意識したわかりやすい解説を心がけました。これも,ゼミ発表で場数を踏んだ成果の現れだと思います。来年の春から,小中一貫校で教壇に立ちますが,自然の事物・事象を観察や実験を通して実感をもって理解させることで,理科が好きな子どもを増やしたいです」と語りました。
 指導教員の畦浩二教授(理科教育講座理科教育学研究室)は,「一年にわたる彼の地道な努力が実を結び,大変嬉しく思います」とねぎらい,「子どもに確かな学力を保障する観点からの教材開発は私の研究テーマの一つなので,彼の情熱を注いだ研究がコケ植物の教材化につながると評価していただいたことは,教育者,研究者として二重の喜びです」と顔をほころばせていました。

[写真]受賞した村上さん(写真右)と指導教員の畦教授

(総務企画課)