附属池田中学校が、八千代エンジニヤリング株式会社 (東京都台東区)、大塚食品株式会社 (大阪市中央区)、カゴメ株式会社 (名古屋市中区)と協働で、食育プログラム「食べて学ぶSDGs」を同社等から講師を迎え、同校の3年生を対象に6月14日(水)、15日(木)の講義と21日(水)、22日(木)の調理実習の計4日間にわたり実施しました。 これは、「人々の協力によって持続可能な社会が発展し、環境へ影響を与える。」をテーマに「探究的な学習(*1)」の一つとして実施したもので、生徒が自分の健やかな成長に必要なバランスの良い食事のための食品の選択や活用方法、保存方法、調理の工夫を学ぶとともに、食品という資源が限られたものであることや食品ロスなどの社会課題や食生活の裏側を知ることで、自分の食生活を振り返り、持続可能な社会の構築を意識した食生活の実践へとつなげていくことを目的に、よりよい食生活とは、自分の食の内容を充実させるだけではなく、そこに付随する消費行動を通した人々の協力が持続可能な社会の構築や社会課題の解決につながることへの気づきを得ることを狙いとして実施しました。
初めに、普段食べている食材の生産と社会・環境問題とのつながりや世界的な人口増加による食糧不足への懸念、フードロスの課題やそれらに対する取組についての授業があり、世界中で注目されているプラントベースフード(*2)について学びました。 続いて、実際にプラントベースフードのゼロミートハムタイプやエバーエッグ(スクランブルエッグ風加工品)を用いて調理実習を行い、生徒たちは自分たちで作ったたまご&ハムサンドを試食しました。
調理実習後、生徒たちはグループワークを通して、「初めてプラントペーストフードを食べましたが、味も本物と変わらず美味しかったです。これなら食糧不足を補うだけじゃなく、様々な食習慣や食文化などの食の多様性にも対応していると思いました」「プラントペーストフードは本物と味や見た目の違いがほとんどないけど、まだまだ美味しくないというイメージを持たれていると思います。そのイメージを変え、もっともっと使いやすい環境作りが必要だと思いました」などの気づきや問題解決への課題の発表を行いました。 家庭科を担当する大野真貴教諭は「学習指導要領改訂を審議する中央教育員議会では、教育が普遍的にめざす根幹を守りつつ、社会の変化を柔軟に受け止めていく、『社会に開かれた教育課程』への期待が議論されています。これには、社会や世界の状況を幅広く視野に入れ、よりよい学校教育を通して、よりよい社会を創るという目標を持ち、教育課程を介して社会と目標を共有していくことと、子ども達が社会や世界と向き合い、関わり合い、自分の人生を切り拓いていくために必要な資質・能力を教職課程の中で明確にし、育んでいくことが重要だと思います。今回、企業との連携プログラム『食べて学ぶSDGs』は、学校と企業が力を合わせ、社会とのつながりを重視しながら行いました。現実の社会との関わりの中で、子ども達が一人ひとりの豊かな学びを実現していくことにつながると思います」と述べました。
*1探究的な学習…「物事の本質を探って見極めようとする一連の知的営み」であり、「問題解決的な活動が発展的に繰り返されていく」学びのこと。 *2プラントベースフード…動物性原材料ではなく、植物由来の原材料を使用した食品のことを指します。これまでに、大豆や小麦などから「肉」「卵」「ミルク」「バター」「チーズ」などの代替となる加工食品が製造・販売され、畜産物や水産物に似せて作られていることが特徴です。
講義「食と環境問題とのつながり」
授業の様子(左、管理栄養士 鈴木結理奈氏)
調理実習の様子(スクランブルエッグ風加工品の説明をするカゴメ株式会社 稲葉洸貴氏)
調理実習の様子
エバーエッグの試食
調理実習の様子(ゼロミートハムタイプの説明をする大塚食品株式会社 故金靖人氏)
グループワークで学びを振り返る様子
(附属池田中学校)