大学院総合基礎科学専攻2回生の土肥愛実さんが,このほど京都府の同志社大学京田辺キャンパスで開かれた第74回応用物理学会秋季学術講演会でポスター賞を受賞しました。 これは,学術講演会で行われたポスター講演総数のおおむね2%をめどに,応用物理学の発展に貢献することができる優秀なポスター講演の著者を顕彰するものです。 発表タイトルは「ジアリールエテン膜上における蒸着変調に基づく貴金属膜の電気抵抗制御」です。この研究は,光異性化反応するジアリールエテンの薄膜上で貴金属を真空蒸着すると,その異性化状態に応じて形成された貴金属膜の抵抗が6桁も変化するという現象を初めて見い出し,さらにその応用として新構造の微細な薄膜ヒューズを実証したものです。電化製品に使われるヒューズや電気回路などへの新しい応用が期待されるといいます。 土肥さんは辻岡強教授の研究室に所属。「最初は天文学を勉強したかったのですが,偶然物質科学コースに入りました。研究室に入ってから実験がたくさんできるようになり,楽しくなりました。実験ができ,研究でも受賞した経験をもつことは,理科教師となって生徒に教えるときに役立つと確信しています」と意欲を語ります。 辻岡教授は「これまで地道に実験と議論を積み重ねてきた成果が,今回応用物理学会という大きな学会の場で認められたものであり,大変喜ばしく思っています」と話しています。
[左写真]辻岡教授(左)と土肥愛実さん[右写真]学会でポスター講演をする土肥さん
(総務企画課)