大学院2回生の和田阿佐香(わだ あさか)さんが,京都市内で開催された「第13回ノーヴイ国際音楽コンクール」(演奏家教育推進理事会主催,8月11日)の声楽部門で3位(1位なし)に入賞しました。 和田さんは「権威のあるコンクールで賞を頂けるとは思いませんでした。表現力を出せるよう練習を重ねてきた成果を,少しは出せたのではないか」と喜びを語っています。 コンクールでは,ラフマニノフの歌曲『ここは素晴らしい場所』,チャイコフスキー『私は野の小さな草ではなかったのかしら』と,いずれもロシア歌曲を演奏しました。
和田さんは,福井大学教育地域科学部を卒業後,声楽を専門的に学びたいと本学の門を叩き,2012年度から寺尾正教授(音楽教育講座)のもとで声楽を専攻しています。福井大学時代にはソプラノでオペラのアリア(詠唱)が専門でした。大学院生となり,寺尾教授からロシアの歌曲を指導され,中音域が出せるよう懸命に練習してきたとのことです。「旋律をきれいに歌うことではなく,楽譜を深く読み,歌詞の内容を理解し,表現することを重点に指導されています。演奏会では舞台から聴衆に伝えようとすることの大切さを教えていただいています」 『私は野の~』は,両親から意に沿わない結婚を迫られた運命の悲しさを抱えた少女を表現する作品。「まだまだ難しいですが,審査員から『情感豊かで民族性が溢れている』と評価され,少し達成感を感じています」 修了後は小学校で音楽の先生になるのが目標だそうです。「音楽教育の専門性を磨き,子どもたちが伝えようとする表現力を引き出せるような教師になりたい」と目を輝かせます。 寺尾教授は「素晴らしい歌唱力と音楽的スキルを有した和田さんのような学生が小学校の教師になれば,子どもたちに大きな影響を与えます。小学校段階の子どもたちは憧れの先生の真似をしますから。和田さんには,音楽を教えるとともに音楽で教えることのできる教師になってほしい」と期待します。
(総務企画課)