大学院家政教育専攻1回生の杉村千聖さんが,10月25日(土)に開催された第36回日本家政学会関西支部(於京都聖母女学院短期大学)において,若手優秀発表賞に輝きました。若手研究者の口頭発表における優秀な人物を顕彰するもので,受賞題目は「行政における子育て支援ガイドブックの検討」です。 杉村さんは,高等学校での家庭科学習を終えて,実際に育児を経験するまでにタイムラグがあることから,これらを結びつける学習機会が必要であると考えました。そこで,全国市町村レベルの自治体が無料で提供する子育て支援ガイドブックに着目し,101冊をサンプルとしてその収録内容と,高等学校「家庭基礎」の教科書記載内容を比較検討しました。
その結果,両者の内容には相似する事項が多く見られたとともに,それぞれの内容の特色から相互補完性があることが判明しました。このことから,親準備教育の学習教材として,子育てガイドブックが活用できる可能性を導きました。 受賞にあたり杉村さんは「受賞の知らせを聞いて驚きましたが,要点を資料に落とし込み,わかりやすく解説したことが功を奏したのだと思います」と笑顔を見せ,「この結果をふまえて,行政にも働きかけて親準備教育に有効な教材を開発したい」と意気込みを語りました。 指導教員の鈴木真由子教授は,「根気のいる作業を続けた成果が花を開き,感慨深いです。この研究が教育と行政両方にプラスの効果をもたらし,社会に還元できるものと信じていますので,さらなる成果を期待しています」と激励しました。
[写真]賞状を手に微笑む杉村さん(右)と鈴木教授
(総務企画課)