理数情報部門の授業を担当する中西亜実非常勤講師が,理数情報専攻自然科学コースの2回生後期開講の「応用物質化学」及び「分子遺伝学」という授業において,1月26日(火)にコンピュータを使用したバイオインフォマティクス(生物情報学)演習を行いました。 これらの演習は,遺伝子配列情報解析やタンパク質の立体構造解析をコンピューター上で行うもので,本学のパソコン必携化の特色を生かす授業です。生物学データベースからのデータ取得と解析ツールを使いこなすバイオインフォマティクス技術は,これからの化学・生物学研究において必須の技能となっています。これらの技術を能動的に学び,バイオインフォマティクスの役割と重要性について理解する演習は,高等学校での教育現場においても役立ちます。 「応用物質化学」では,受講生はタンパク質の構造データベースにアクセスし,トリプシンというタンパク質(酵素)の立体構造について,酵素活性に必要なアミノ酸だけを表示させる方法や,反応に重要な原子同士の距離を測る方法を学び,酵素反応に立体構造が大きく関わっていることを視覚的に理解しました。また,「分子遺伝学」では,教員が指示した遺伝子について,受講生が自らDNAデータベースから配列データを取得し,類似の遺伝子を検索し,系統樹を作成することで,遺伝子の進化の過程について考察しました。 授業内アンケートでは,バイオインフォマティクスに特化した授業を受けたいという意見が67%あり,また「タンパク質の立体構造を,自分で回転させていろいろな角度からみることができたのが面白かった」「自分が教員になったとき,子どもたちに教えたい」などの感想が寄せられました。
応用物質化学の授業風景(左)と様々なタンパク質表示(右)
分子遺伝学の授業風景(左)とDNA塩基配列(右)
2021年2月9日掲載(理数情報部門)