大阪府と連携し、特別支援教育専攻の学生らを対象とした「がん教育」セミナーを、7月1日(金)に実施しました。
これは、学校現場において「がん教育」を推進できる人材の育成をねらいとして行われた取組で、平成29年の学習指導要領の改正により、全ての中学校・高校において「がん教育」が導入されたことに伴い実施しているものです。大学生を対象に行うのは、大阪府として今回が初めての試みです。当日は、大阪市立総合医療センター医療ソーシャルワーカーの大濵江美子氏を招き、特別支援教育部門の平賀健太郎准教授が担当する授業「病弱者の心理と健康行動学」の受講生を対象に実施しました。
開講に先立ち、大阪府 健康医療部 健康推進室 健康づくり課長の勝見友一氏より今回のセミナーの趣旨の説明がありました。
セミナーでは、がん治療を取り巻く環境に関する基本的な知識や、がんと向き合う人々に対するサポートの現況などについて、大濵氏が説明しました。その後、小児がんの子どもや家族の方の実際のエピソードや生の声を通して、院内学級の役割や家庭・病院・地域との密接な連携の重要性についての講演がありました。
セミナー後のアンケートでは「普段から病気の子どもたちやそのご家族と関わっている方のお話を聞く、貴重な機会をいただけてよかったです」「その人らしい社会参加のかたちを実現することの大切さがわかりました」などの感想が寄せられました。
授業を担当する平賀准教授は「将来、入院中の子どもを支える院内学級の教員や、退院後に復学した子どもたちを支える教員となる学生にとって、がんの子どもやその家族のために、教育と医療とがチームとなって支援する重要性を理解するいい機会になったと思います」と総括しました。
セミナーの趣旨を説明する勝見氏
講演を行う大濵氏
自宅や病室と教室とを繋いで行う遠隔授業を、遠隔コミュニケーションツール「kubi」を使って実演する様子
総括を述べる平賀准教授
(特別支援教育部門)