大阪教育大学ウインドオーケストラ スペシャルコンサートを開催

2024.10.07

大阪教育大学ウインドオーケストラ スペシャルコンサートを開催

 教育協働学科芸術表現専攻音楽表現コースで管・打楽器を専攻する学生らによるウインドオーケストラが9月6日(金)、ザ・シンフォニーホールでスペシャルコンサートを開催しました。第8回となる今回は、客演指揮・奏者として全国各地の大学から音楽教員11人が参加し、宇都宮大学、岐阜大学、大垣女子短期大学、兵庫教育大学、鳴門教育大学、高知大学、宮崎大学、沖縄県立芸術大学の学生と、北海道教育大学で吹奏楽を学ぶ学生で構成する「北海道教育大学スーパーウィンズ」が演奏に加わりました。

 コンサートは、P.スパーク作曲『ジュビリー序曲』の華やかなファンファーレで幕を開けたあと、吹奏楽の各楽器の魅力を堪能できるJ.バーンズ作曲『パガニーニの主題による幻想変奏曲』を演奏。続いて、昨年に引き続きNHK交響楽団首席クラリネット奏者の松本健司氏を特別ゲストに迎え、人気作曲家のコーニッシュ氏がウインドオーケストラの委嘱を受けて作曲した新曲『流響のロワール 第2楽章』が世界初披露されました。演奏前のインタビューで松本氏は「昨年の曲は第1楽章とはついていないのですが、何となく先へ続くような終わり方だったのが気になり、『第2楽章はどうなるんでしょうね』と話したんです」と、続編制作のきっかけを語りました。コーニッシュ氏は曲のイメージについて、「前回はフランスのロワール川の風景や歴史を概念的に表現したので、今度は何か具体的なものにしようと思い、この地域に住んでいた中世の農民の方々に焦点を当てることにしました。当時の農民の暮らしを追いかけながら、1年が巡り、それがずっと続いていくという終わりなき道を、ロワール川に重ね合わせました」と解説しました。

 第2部では北海道教育大学スーパーウィンズが、同大の渡部(部のつくりは邑)謙一准教授の指揮により3曲を披露しました。マーチにスポットを当て、1曲目はマーチ王と呼ばれたJ.P.スーザ作曲『海を越える握手』を演奏。2曲目はバブル崩壊後の社会を写したとも言われる三善晃作曲『クロス・バイ・マーチ』を取り上げました。最後はトルコ行進曲の題材をさまざまに変容させ、典型的なマーチとは大きく趣を異にする、田村文生作曲の『トルキッチュ行進曲』で締めくくりました。

 第3部は、吹奏楽の不朽の名作として人気の高いA.リード作曲『アルメニアン・ダンス パートI」で始まり、J.バーンズ作曲『交響曲第3番』より第1、3、4楽章の演奏では、生まれたばかりの娘を失った悲しみから最後に全てを受け入れるまでの作曲者の心の変遷を、情感を込めて表現しました。

 3年続けて委嘱曲を作曲し、自らタクトを振っているコーニッシュ氏は、「大阪教育大学の学生さんたちはすごくまじめで、私が難しい言い回しをしたときでも、その意図を一生懸命汲み取ろうとしてくれます。単に与えられた楽譜を弾くだけでなく、曲を理解しようとする思いや知性を感じて、一緒に演奏していてとても楽しいです」と語りました。

【出演者】

〈客演指揮〉コーニッシュ(作曲家)

〈クラリネット独奏〉松本健司(NHK交響楽団首席クラリネット奏者、洗足学園音楽大学教授、東京音楽大学特任教授)

〈客演指揮・演奏〉渡部謙一(指揮・北海道教育大学)/佐藤淳一(サクソフォン・北海道教育大学)/高島章悟(チューバ・宇都宮大学)/松浦光男(ホルン・岐阜大学)/森岡佐和(トロンボーン・大垣女子短期大学)/牛渡克之(ユーフォニアム・同志社女子大学)/河内勇(クラリネット・兵庫教育大学)/日下瑤子(サクソフォン・鳴門教育大学)/梶原彰人(トロンボーン・高知大学)/酒井勇也(サクソフォン・宮崎大学講師)/倉橋健(トランペット・沖縄県立芸術大学)

〈客演演奏〉宇都宮大学/岐阜大学/大垣女子短期大学/兵庫教育大学/鳴門教育大学/高知大学/宮崎大学/沖縄県立芸術大学 各学生

〈指揮〉神代修(大阪教育大学教授)

〈吹奏楽〉大阪教育大学ウインドオーケストラ/北海道教育大学スーパーウィンズ

『ジュビリー序曲』の演奏の様子
開幕を飾った華やかな『ジュビリー序曲』の演奏

『流響のロワール 第2楽章』の演奏の様子
中世の農民の暮らしを大らかで伸びやかなメロディーで表現した『流響のロワール 第2楽章』

北海道教育大学スーパーウィンズの演奏の様子
躍動的な音を響かせた北海道教育大学スーパーウィンズの演奏


大きな悲嘆からその受容までの心情が込められた『交響曲第3番』

(広報室)