社会科教育講座の峯明秀教授の講義「社会科教育学演習1」にて,教職を目指す学生が専門家とどのように連携して授業をデザインすればよいのか,実際に体験しながら各自の教育研究課題に結びつける総合演習を実践し,約30人の学生が参加しました。今年度は,ゲストティーチャーを招いて主権者教育をテーマに講義を実施しました。 瓦屋直子氏(大阪府選挙管理委員会事務局 主査)と勝間綾香氏(同 主事)が「主権者教育の現状と課題 模擬授業を体験しよう」,桑田弦氏(財務省主計局 調査課課長補佐)が「財政教育を体験しよう-わが国の財政状況はどうなっているの」,内山真照氏(司法書士)が「法律講座 契約の基礎と応用」と題して講義しました。 瓦屋氏と勝間氏は,日本の選挙の現状と若年層の投票行動について説明した後,学生は実際に投票を行い,模擬選挙を体験しました。桑田氏は,「日本がもし100人の村だったら」という想定で予算の配分についてグループ討議を実施して,日本の財政問題を子どもたちに教える際の有効な手立てを解説しました。内山氏は,契約及び特別法の考え方を説明。被害に遭わない合理的な判断のできる消費者を育成するためには,主権者として社会の中で自立し,他者と連携・協働しながら社会を生き抜く力を身につけるための教育を実施する重要性を語りました。 参加した学生からは,「専門的な知識を学びつつ,1つのゴールに向かってリードしてもらうのではなく,学生と専門家が議論を重ね,それぞれの考えを交錯し深めていく過程はとても有意義だった」「専門家の視点と教育的な視点は異なり,子どもたちの主権者意識を高めるための方法について,それぞれの視点から意見を交換することができた」「今後,授業を通じて東日本大震災の被災地を訪れる予定だが,生涯に渡って学び続けることのできる実践的な防災教育,子どもたちが切実性をもって能動的に学べる防災教育について,現地の方々から学び,私たちも実践をつくったり意見を交換したりして考えを深めていきたい」との感想が寄せられました。
学生からの質問に答える瓦屋氏(左)と勝間氏(右)
桑田氏の講義
内山氏の講義
(広報室)