NHK教育テレビの障がい者向け情報番組「バリバラ」のMCで,多発性硬化症という難病と闘う大橋グレース愛喜恵さんが,5月18日(水)の本学教養基礎科目「共生社会論」でゲスト講師として講演しました。 グレースさんは,柔道の米国代表選手だった時に発病。「朝起きると突然,目が見えなくなった」とパニックになった様子を語りました。父親が日本人で,発病後は栃木県で暮らしていましたが,たまたま大阪を訪れていたときに東日本大震災が発生し,自宅が影響を受け,急きょ大阪で生活せざるを得なくなりました。そこで生活支援してくれるところを探し,現在暮らしているNPO法人「自立生活夢宙センター」に出会いました。 現在は同センターの職員として,障害や病気で自ら意見を伝えられない人や社会的マイノリティーの人などの権利を擁護する「アドボカシー」の啓発活動をしています。食べ物や服装,化粧など様々なことを自分自身で選択し,自分らしく生活できる支援を行っている同センターで,24時間介護の生活でも恋愛や仕事などアクティブに人生を楽しんでいる日常を笑顔で話し,「地域の中で自分らしく住める,生きていけることがうれしい。今は仲間がいることで,強くも,やさしくも,厳しくもなれる」と学生らに語りかけました。 受講した学生たちは「医療ケアはあるけれど,楽しく会話し,恋愛もして,私たちと同じような生活をしていると知り,ハンデがあると思っていたのが大きな間違いだと気づきました」「お互いがしたいことや頼みたいことを素直に話し合える社会になればいいと思った」「変な義務感でやさしくするのではなく,権利を尊重しつつお手伝いができればと思う」と感想を話しました。
[左写真]大橋グレース愛喜恵さん
(広報室)