本学学校教育講座の戸田有一教授が,世界的ないじめ研究の権威であるピーター・K・スミス教授(ロンドン大学名誉教授),発達心理学者のカク・キョムジー教授(ソウル大学)との共編著書『様々な文化での学校におけるいじめ:東洋と西洋の視点』をケンブリッジ大学出版局から出版しました。 同書は,各国のいじめの現象がどう異なりどう通底するのかをテーマに置き,多くの国の研究者が執筆に参加しています。主に心理学の研究を中心に,東洋と西洋を比較した調査研究の結果も含まれています。 英語での共編著は初めてだという戸田教授は,「編者として英語を母語とする執筆者に修正を求めるのは気をつかいましたが,いじめの理解と対策だけでなく,背後の人間観や文化観も鍛えられる論考が重層的に提示された本になりました。また,これまであまり海外で知られていなかった日本の研究も紹介し,独自の視点を示すことができたと思います。日本と海外のいじめの違いなどに関心のある方はぜひ読んでほしい」と述べました。現在は若手研究者と共同で実践支援や実践評価研究を進めているといい,「ここ数年でネットいじめやその対策がどんどん更新されており,いじめとLGBT,移民問題といじめの研究も増えてきました。各国が共通して抱える問題に国境を越えて協働することで,次世代の活躍と貢献の舞台を広げたい」と,未来を見据えた研究に意欲を見せています。 同書は本学附属図書館本館で閲覧・貸出が可能です。
[左写真]著書を手にする戸田教授[右写真]『様々な文化での学校におけるいじめ:東洋と西洋の視点』表紙
Smith, P. K., Kwak, K., & Toda, Y. (Eds.) (2016)School bullying in different cultures:Eastern and western perspectivesCambridge University Press: Cambridge, U.K.ケンブリッジ大学出版局ウェブサイトへ
(広報室)