高校の先生の影響力は大きい教科教育を通じて、全人教育を
出口 大学受験で問われる知識というのは、大学に入ってからも役に立つものです。生徒たちに、今学んでいるのは決して受験のためだけではなく、それが将来必ず役に立つことを伝えてほしいと思います。人生の中で一番人から影響を受けたのはどの時代だったかという調査で、回答が最も多かったのが高校時代で、高校の先生からというものでした。それほど高校の先生というのは、生徒に影響を与える存在です。成長していく中で、保護者以外で最も身近な存在として関わる大人が高校の先生方ですから、人生に与える影響が大きいということを再認識して、生徒たちと向き合っていってほしいです。
栗林 担任の先生は、生徒の学習状況や課外活動をトータルに見て、また、それぞれの教科担当の先生は教科を通じて生徒の育成を行っていらっしゃると思います。教科の基礎的な力はもちろん非常に重要ですが、あまりに教科の細部にとらわれるのではなく、全人的な力、国際的にも通用するような人間として確たる判断力をもって行動できる力を育ててほしいです。全人的な力の源となるような判断力や協働の力を、それぞれの教科を通しながらも、生徒に目配りをいただけるとありがたいと思っています。
平成27年6月現在
※1 北海道教育大学(H)、愛知教育大学(A)、東京学芸大学(T)、大阪教育大学(O)を中心に、教員養成教育が共通して抱える諸課題を協働で解決できる体制を整備するとともに、全国の教員養成系大学・学部とのネットワーク化を図り、日本における教員養成の高度化支援システムを構築する手間のプロジェクト。
※2 京阪奈三教育大学連携事業で、大阪教育大学が教員養成の高度化、京都教育大学が教職キャリアの高度化、奈良教育大学がICT活用を中心とする次世代教員養成の高度化と役割を分担するとともに、各大学に連携拠点センターを置いて京都・大阪・奈良3地域で連携していこうというプロジェクト。
※3 今後、子どもたちに必要となる資質・能力を育むための新たな教育モデル『新たな教育モデル2030』を、OECDと日本が協力して作ろうというプロジェクト。世界的なレベルで、子どもたちに必要な力を考え、世界共通の学習のスタイルの構築をめざす。