大阪教育大学理数情報教育系の成田一人准教授は、NEDO(注1)の「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」において「ナノソルダー実用化による製造プロセス省エネ化技術の開発」に取り組むパナソニックホールディングス(株)、東北大学、秋田大学、芝浦工業大学との共同研究に参加し、従来よりも低い温度で電子部品を接合でき、接合後はパワーデバイスに必要な耐熱性が得られるナノソルダー接合材料を開発しました。本開発では、低融点金属と高融点金属を組み合わせた固液反応を用いることで、低温かつ短時間プロセスでの結合と200℃耐熱の両立を達成しました。 本開発の成果により、産業機器や電気自動車、鉄道などで使用されるパワーデバイスの組立工程に広く展開することが可能となり、パワーデバイス製造プロセスの省エネルギー化とともにカ―ボンニュートラルの実現に向けた大きな前進が期待できます。
(注1)国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(New Energy and Industrial Technology Development Organization): 非化石エネルギー、可燃性天然ガス及び石炭に関する技術並びにエネルギー使用合理化のための技術並びに鉱工業の技術に関し、民間の能力を活用して行う研究開発、民間において行われる研究開発の促進、これらの技術の利用の促進等の業務を国際的に協調しつつ総合的に行うことにより、産業技術の向上及びその企業化の促進を図り、もって内外の経済的社会的環境に応じたエネルギーの安定的かつ効率的な供給の確保並びに経済及び産業の発展に資することを目的とする研究機関。
【共同News Release】低温プロセスで接合できる耐熱200℃のナノソルダー接合材料(新規はんだ)を開発 ーパワーデバイスの組立工程に広く適用して省エネルギーを推進ー