Stay homeにより外出を控える日々が続き、活動量減少・体力低下、加えて、「新しい生活様式」を取り入れた生活環境下で迎える夏がやってきます。暑さに体が慣れていない時期の気温の上昇は体調を崩しやすいため要注意です。本格的に夏が来る前に、少しずつ暑さに体を慣らしていくことが熱中症予防の第一段階です。
暑さに負けない体づくり
夏に向けての体づくりは、気温が上がり始める初夏から開始しましょう。Stay home中はほぼ家の中で過ごしていた方などは、日常の活動量を少しずつ増やすところから始めましょう。ただ、すでに外気温は高く、マスクを着用しての日中の活動は体に負荷がかかります。人と十分な距離(少なくとも2m以上)が確保できる場合はマスクをはずすようにしましょう。また、夜間や早朝など人混みと暑さを避けた時間帯で散歩やジョギングをするのも良いでしょう。
マスク着用の大切さと危険性
新型コロナウイルス感染症対策にマスクは有効です。しかし、気温が高く湿度が高い状況でマスクを着用することは熱中症を引き起こすリスクを高めます。マスクの着用は顔を覆うことになり体温が上昇しやすくなります。またマスク内は湿度が高いため、のどの渇きを感じにくい状態になります。感染予防の大切さはこの数か月で知識を得ていると思います。電車やバスの中、大学内(講義中)、人と接する場合などは必ずマスクを着用しましょう。逆に屋外で人と十分な距離を確保できる場合マスクをはずしましょう。またマスク着用によって気分不良や息苦しさを感じた場合は人混みを避け落ち着ける場所でマスクをはずし休養しましょう。
こまめな水分補給
「のどの渇きを感じる前に水分補給」はよく知られています。しかし、マスク着用によりのどの渇きを感じにくい状態にあるので、より一層意識してこまめに水分補給をする必要があります。気候、活動量、体格でも異なりますが1日約1.2リットルの水分補給が必要となります。一度に多量に飲むのではなく、1回200~250mlを回数を分けて(1時間に2~4回)飲むと良いでしょう。マスク着用でのどの渇きを感じにくい状態にあるので時間を決めて飲むことをおすすめします。また水分の温度は、少し冷たい(5~15℃)方が吸収率が良いとされています。保冷機能付きのマイボトルが便利ですね。飲み物の種類は、水や麦茶がおすすめです。汗をかいた時は塩分と糖質を含んだ飲料が効率的に水分吸収を促進するので、ポカリスエットなどの経口飲料水などを選択してください。逆にカフェインを含むものやアルコール飲料は利尿作用があり尿量が増えてしまします。コーヒー、紅茶、緑茶、ビールなどはあくまでも嗜好品であり、熱中症対策の水分補給にはならないと思ってください。いつ、どんなものを飲むかが重要です。
「健康観察記録簿」の活用
大教大の学生の皆さんは「健康観察記録簿」に毎日の体温測定、健康チェックを記載していますよね。毎日体温測定を実施することで、改めて自分の平熱を知ることができた方も多いでしょう。「その他の症状」「備考欄」などに自由に身体の状態を書きましょう。体調が悪いことだけでなく、「散歩30分」「筋トレ」など運動した記録や「筋肉痛」「寝不足」なども記録すると良いでしょう。毎日記録をつけることで体調の変化に気づきやすくなり、自分の「健康」に意識が向きます。発熱や症状が無くても、なんか調子が出ないなぁという時や体調が悪い時など、「無理せずに家で過ごす」指標になります。毎年猛暑がやってきますが、今夏はより一層「健康管理」を徹底してください。
暑さを避けましょう
感染予防のため窓開放をし換気を心がけていると思いますが、夏のエアコン使用時においても換気は必要になります。空気には、暖かく湿った空気は上へ、冷たく湿気の少ない空気は下へ流れる性質があります。空気の流れを読むことで効率良く換気することができます。窓の開放は10cm~15㎝程度、換気をする窓の位置は部屋の対角線上が良いでしょう。ワンルームで一つしか窓がない場合は、キッチンの換気扇をつけたり、扇風機を天井に向けて回すことで空気の流れができ換気ができる上、エアコンの冷たい風が部屋全体に循環しますよ。エアコンの設定温度は26度前後が良いでしょう。換気を行いながらになるため少し低めに設定し、こまめに室温を調整してください。エアコンの使用は良眠を得られ、体調管理につながります。暑さを我慢せず使用しましょう。また、冷感素材の衣服や寝具を使用したり、キュウリやトマトなど体を冷やす効果のある食べ物を摂取するなどし快適に過ごす工夫をしましょう。
周囲への気づかい
熱中症の症状は、ぼーっとしたり、体に力が入らない、ふらつきなど軽度の症状から急に意識を失うような重度の症状に転じることがあります。本人は自分の症状に気づけないことも多く、何事もないかのような振る舞いをすることもありますが、確実に判断力、注意力は低下しています。「あの人、なんか変だなぁ」と思ったら迷わずに声をかけてください。