『五感で読む漢字』の翻訳本が韓国にて出版

2025.05.13New
教員の著書の紹介

『五感で読む漢字』の翻訳本が韓国にて出版

 張莉(出野文莉)教授が2012年に出版した『五感で読む漢字』の翻訳本が韓国で出版されました。翻訳者は南美英(漢字学者)で、五感(視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚)に関わる文字が作られた頃の甲骨文・金文・小篆の時代に立ち返って、その時代の原初的な意味を探る内容となっています。

 古代中国の社会状況や風俗、あるいは宗教の在り方を考察し、その中でも「五感」に関わる漢字は古代中国人の感性が反映されており、現在の意味とは全く異なるものも多くあります。そこでは、現在の我々とは異質で不思議な世界を垣間見ることができ、現在の自分の考えや情念の根拠を対比的に強く認識することもできます。

 「五感」は外界によって与えられる刺激の質によって、或いは外界に反発し、或いは外界に共鳴します。五感の文字の原義を知ることは、そういう深層心理に触れることであります。本書は、2012年の出版の後に、武田鉄也氏がラジオ番組の「今朝の三枚おろし」で5日間その内容が放送され、当時、インターネットにも多くの書評が寄せられ、反響がありました。

 今回、韓国の漢字学者である南美英氏によって『五感で読む漢字』の韓国語版が世に出たことは、漢字学的な意味においても、人間の感性を振り返って考察する上においても意義深いです。

 

 

タイトル

『五感で読む漢字』

出版社

亦楽出版社

発刊日

2025年2月

翻訳者

南美英