言語的・文化的に多様な子どもの教育に対応できる教員の養成を考える「第16回グローバルセンター国際シンポジウム」を開催

2026.01.07New

言語的・文化的に多様な子どもの教育に対応できる教員の養成を考える「第16回グローバルセンター国際シンポジウム」を開催

 「⾔語的・⽂化的に多様な⼦どもの教育に対応できる教員の養成―フィンランド、ドイツの事例から―」と題して、第16回グローバルセンター国際シンポジウムを12月17日(水)に開催しました。本シンポジウムは、FD事業(*)として位置づけられ、本学教職員・学生の94人が参加しました。

 グローバル化の進展に伴い、小・中学校においてさまざまな言語的・文化的背景のある子どもに対する支援の必要性が高まっており、教員養成大学ではこうした子どもたちに対応できる教員の養成が緊急の課題となっています。そこで、日本よりも移民の受け入れが進んでいるヨーロッパの取り組み事例を紹介するために、フィンランド・オーボアカデミー大学とドイツ・ビーレフェルト大学から講師を招きました。

 シンポジウムではまず、本学の協定校であるオーボアカデミー大学(フィンランド)のDr. Haiqin Liu氏が、フィンランドにおける多文化に対応した教師教育ついて講演しました。講演では、2000年代以降急速に多文化化したフィンランド教育現場の課題点、それに対応する一つの方法としてDr. Haiqin Liu氏の提唱する「共感に基づくナラティブ教育法―多様なバックグラウンドを持つ子供達が抱える問題について教員を目指す学生がナラティブを通して理解を深めるアプローチ法―」が紹介されました。

 次に、ビーレフェルト大学(ドイツ)から、Dr. Renate Schüssler氏 と Nadine Auner氏が、同大学におけるさまざまな取り組みについてオンラインで講演しました。人口の4分の1が移民の背景を持つ現在のドイツでは多言語・多文化の教室に対応できる教員の養成が必須であり、ビーレフェルト大学教育学部の教員養成課程では学生の海外教育実習に積極的に取り組むとともに、学生や教員を対象とした異文化間教育プログラム“DiversiTeach”や外国出身教員の資格再取得を可能とする“Lehrkräfte Plus(ティーチャーズプラス)”等の制度を活用して、多言語・多文化の教室に対応できる教員育成に取り組んでいることが述べられました。

 講演後は、本学の副専攻プログラム「外国にルーツのある子どもの教育」代表の高橋登教授がディスカサントとして参加し、講演の内容についてフィンランド・ドイツの講師陣と意見交換を行いました。

 参加者のアンケートからは「知識として多文化共生を学ぶだけではなく、移民背景の子ども側の気持ちを想像して物語として書くことで、教師になる人が自分の偏見や見方に気づける、という考え方が新鮮でした」「国際交流やプロジェクトを通じて教師を育てるという考え方が印象に残りました。教員志望者が海外の教育現場を経験することで、文化の違いを理解し、柔軟な考え方を持てるようになるという話がすごく共感できました」などのコメントが寄せられました。

*FD…ファカルティ・ディベロップメントの略称で、大学教員の授業内容や教育方法を改善し向上させるための取り組み


Dr. Haiqin Liu氏の講演
Dr. Haiqin Liu氏の講演

シンポジウム登壇者との記念撮影
シンポジウム登壇者との記念撮影


(国際課)