附属池田中学校1年生の百瀬杏嘉さんと忌部望さんが、塩野直道記念第13回「算数・数学の自由研究」作品コンクールにおいて、敢闘賞を受賞しました。同コンクールは、日常生活や学校で学んでいるときに感じた疑問や課題を、算数・数学の力を活用して探究し、気づいたことや分かったことをレポートにまとめるというものです。2人は「見えないを見るために〜「見える」の数値化〜」というテーマで研究し、13,935件の応募作品の中から敢闘賞に選ばれました。
百瀬さんは「今回の研究では階段を用いて、目線の上下によって見える範囲が変動するのかを調べました。単なる左右のみの移動であれば見える範囲(見えている空間の体積)を求めることはたやすいですが、上下の運動をすると体積を求める方法を一般化しないといけないため難しかったです。だからこそ、受賞した際はとても嬉しかったです。また、研究でも防犯カメラの設置位置にも生かせられることについて触れましたが、そのように数学の力が社会に応用できるということを身をもって感じた瞬間でもありました。これからも数学を楽しみつつ、社会に応用できるような仕組みに対して理解を深めていきたいです」と述べました。
忌部さんは「夏に友達と共に挑戦したMATHコン。実は、私はこのようなコンテストに自らの意思で参加するのは今回が初めてでした。小学生のころ、夏休みの宿題として取り組んだことはあるものの、自ら参加しようという気にはなりませんでした。ですが今回、友達の影響で職員室を最も見ることができる場所はどこかを数学的な視点で捉えて表現することに挑戦しました。最初の方はテーマにあまり興味が湧かず、助言をするくらいしかしできませんでした。しかし、研究を進める中で模型を作ったり答えのない問いに一緒に向き合ったりと日々の中では味わえない体験を数多くすることができました。今回私たちは敢闘賞という名誉ある賞をいただきました。ですが、それ以上に正解のない問題に対して粘り強く考え抜いたプロセスこそ、私にとっての最も大きな収穫だと感じています。この夏、数学を通して見つけた視点をこれからの学びや生活にも生かしていきたいと思います」と述べました。
同中学校の数学を担当する井場恒介教諭は「中学入学当初、休み時間ごとに彼女らが職員室を外から覗いていたところに、声をかけたのがきっかけでした。『廊下から職員室の先生がどれぐらい見えるか』に興味があるということで、見る位置や高さによって見え方が変わるのかという、素朴な疑問から始まった研究でした。『見える』とは何をもって『見える』とするのか。自分たち自身で『見える』を定義づけして数値化できないかという話になり、段ボールで模型を作ったり、数学ソフト(GeoGebra)を使ってデジタルで空間を再現したりして試行錯誤を重ねました。『見える』を数値化するために距離をとるのか、空間の体積をとるのか。エクセルを使った表計算など、2人は使ったことのないツールをどんどん覚えて研究を進めていきました。研究の過程で新たな発見があったり、疑問が出てきたりした時に見せる、彼女らの目が輝く姿はとても頼もしかったです。今後も探究心をもって、自分の中から溢れる『なぜ』という感覚を大切にしてほしいと思います」と語りました。
「敢闘賞」を受賞した百瀬さんと忌部さん
(附属池田中学校)