特別企画!大阪教育大学×フクシマガリレイ株式会社
本学の教養学科(現:教育協働学科)卒業生で、フクシマガリレイ株式会社の代表取締役社長である福島豪氏に、教育協働学科長の町頭義朗教授がインタビューをしました。

教養学科 情報科学専攻 2001年卒業
総合基礎科学専攻 数理情報コース 2003年卒業
フクシマガリレイ株式会社 代表取締役社長
福島 豪さん
日本の「食」のインフラを冷やす技術で支える、フクシマガリレイ
町頭:フクシマガリレイ株式会社の概要を教えていただきたいです。
福島:業務用冷凍冷蔵庫やショーケースなど、プロの現場や店舗で使われる冷蔵機器のメーカーです。実は日本で最初に業務用冷凍冷蔵庫を規格化したのが、創業者である私の祖父で、その祖父と私の父が二人三脚で上場させた会社です。そこから私が中途入社して、現在では食品工場や冷凍冷蔵の物流倉庫の仕事、医療分野にも進出しています。
町頭:医療は温度管理が特に厳しいですよね。
福島:そうですね。病院や研究機関で使用される薬用保冷庫やインキュベーターなど、食品とは異なる用途で使われる機器の製造・販売も手掛けています。
現在に至るまでの土台を築いた、大阪教育大学での学び
町頭:当時、大阪教育大学に進学しようと思ったきっかけを教えてください。
福島:教育に関心があって、国立で一人暮らしができる大学に行きたいと思ったのがきっかけです。
町頭:教員養成課程ではなく、教養学科を選んだ理由はありますか。
福島:先生は自分には向いていないかなと感じていました。しかし教育には興味があり、また当時パソコンが流行りだした時期で、直感的にこれからの時代はこれだ、と思い大阪教育大学の情報科学専攻を選びました。学部時代は基礎的なプログラミングを学んでいて、初めて上手く動いたときはかなり感動しました。
町頭:その後はそのまま本学の大学院に進学したのですね。
福島:父が商売をしていたこともあって、就職活動の時期に、継ぐかどうかなど悩むことが多くありました。そんな中、当時お世話になっていた指導教員に相談すると『大学院に入って、私のところに来なさい』と声をかけていただきました。その言葉に救われて大学院に進学し、しっかり学ばせていただきました。
モノづくりの原点は、ヒトづくりにある。フクシマガリレイの教育
町頭:社会人になって大学時代の学びが役立っているなと思うことはありますか。
福島:実はここ15年くらいの成長の主な要因は、メンテナンスや施工工事の仕事が大きいです。こういった技術者を多く採用することで成長してきたのですが、近年この技術者が業界全体で不足してきています。このまま人手不足が進行すると、特に地方では機器が故障してもいつ修理できるかわからない状態になり、その間そこでは食品が販売できないことになります。そこで、業界全体の人材育成を促進するために、社内に学校を作りました。現在、約200人の卒業生を輩出して全国各地で働いてもらっています。このように技術者を育成する場所を作るという発想に至ったのは、大阪教育大学での学びがあったからだと感じています。
町頭:その学校について詳しく教えていただきたいです。
福島:ガリレイアカデミーといいまして、約2年の構想を経て設立した学校です。大阪府の短期職業訓練校の認定もいただいていて、約2ヶ月間をかけて座学と実技、加えて人間として何が正しいかなどの価値観も教えています。この業界は5年で1人前になると言われているのですが、3年で1人前を目標に、離職率を下げながら仲間を作るために活動を始めました。
製品だけでなく、未来を届ける
町頭:他にも特徴的な取り組みはありますか。
福島:キッザニア甲子園に、ショーケースを修理するというパビリオンを出しています。保護者がいるラウンジのショーケースが壊れた設定で、子どもたちにタブレットを持たせて修理してもらうというストーリーです。正しく部品を取り替えるとショーケースが動き出して、子どもたちは大喜びしてくれます。
町頭:製造ではなく「修理」という着眼点はすばらしいと思います。
福島:こういう活動も社会貢献性が高くて重要だと思っています。他には、子ども食堂への冷蔵庫寄贈とボランティア活動を行っています。子ども食堂は、地域の子どもたちに一緒に食事をする機会を提供し孤食を防ぐ、地域住民の交流を促進する機関なのですが、災害が起こったときには防災拠点としての役割も果たします。冷蔵庫はそういった場合でも、活躍できるものなので積極的に寄贈しています。
人を磨き、未来を作る。福島社長の「人」へのこだわり
町頭:福島社長が大事にしている考えを教えてください。
福島:私はまず「人」を一番大切にします、と社員にはよく言っています。先ほどのガリレイアカデミーの話もそうですが、まず人に投資をして大事にします。企業は人なり、と言いますが、社員が仕事を通じて幸せを感じ、自発的にお客様のために行動する、そしてお客様から喜ばれる会社になるという循環を生み出したいです。私の父もずっとそうしてきたのでこの考えは継承していきたいと思っています。
町頭:本学のキャッチコピーも「人にまっすぐ」なので通ずる部分がありますね。学生に対してメッセージをいただいてもいいですか。
福島:学生時代にしかできない経験は多くあります。何でもいいので一生懸命取り組んでほしいです。社会人生活に比べて学生時代の時間はとても短いので、失敗を恐れずに挑戦してください。振り返るとそれがかけがえのない思い出になります。私自身、学生時代は悩むことも多くありましたが、その経験が今に生きていると感じています。大阪教育大学で出会った友人・先生とさまざまな話や体験をさせてもらって刺激を受けたというのは今でも記憶に強く残っているので、皆さん全力で楽しんでください。
(2026年1月取材)
※掲載内容はすべて取材当時のものです。
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