大阪市教育委員会と連合教職実践研究科(連合教職大学院)の連携事業である,「エビデンスベースの学校改革」研修プログラムの公開研修会を8月21日(水)に天王寺キャンパスで開催しました。今回は今年度のプログラム第3回で,その成果を広く周知するために公開研修会として開催したものです。大阪市内の学校教員,教育委員会事務局の顧問や区長といった地域の教育行政をつかさどる教育委員会関係者も含め,160人以上の参加がありました。 はじめに,連合教職実践研究科の庭山和貴特任准教授が,本研修プログラムについての簡単な説明と,研修の基盤となる「エビデンス」についての講義を行い,「エビデンスベースの学校改革は手段・枠組みであり,子どもたちにこんな姿になってほしい,という目的が大切である」と述べました。 その後,昨年からエビデンスベースの学校改革に取り組む大阪市内の小中学校7校の教員がそれぞれの学校での取組みに加え,工夫した点や今後の課題を交えた実践報告を行いました。続けて,庭山特任准教授と同じくポジティブ行動支援の研究者であり,初等教育講座の野田航准教授が,発表に対する解説を行いました。それぞれの取組みで,学校が変わっていく報告を,参加者が熱心に聴き入っている様子が見られました。 後半は,「全国学力・学習状況調査の活用」をテーマに,連合教職実践研究科の木原俊行教授,岡田和子特任教授が講演を行い,全国学力・学習状況調査の内容を再確認し,さらにその結果をエビデンスとしてとらえ,どのように授業改善や学校改革に活かしていくのかについて述べました。 参加者からは,「まずは子どもの意識と教職員の意識のズレを検討するところから始めたい」「ポジティブフィードバックを組織的に行えるように2学期から取り組みたい」「組織として学校改革を図り,子どもの達成感,成長につなげていきたい」「チームで全国学力・学習状況調査の分析をし,本校の課題にあった取組みは何か考えていきたい」などの声が寄せられました。 この事業は今後も継続し,引き続き大阪の教育の発展に寄与していく予定です。
講義を行う庭山和貴特任准教授
会場の様子
(天王寺地区総務課)