フォーラム「情報リテラシー再論:大学の教育活動に図書館活動を位置づける」を,8月30日(金)に柏原キャンパスの附属図書館で開催し,附属学校の学校司書,他大学の関係者を含め,教職員32人が参加しました。これは大学や高校の教育現場における情報リテラシーの現状について学び,大学の教育プログラムのあり方について再考することを目的にFD事業ならびにSD研修の一環として実施したものです。 はじめに,関西外国語大学特任教授の内島秀樹氏が,「学士教育改革と大学図書館」と題して講演を行いました。内島氏は,情報リテラシーとは北米の図書館発祥の概念であると紹介し,情報リテラシー教育の起源と現状について説明しました。また,北米の大学教育の実際について触れつつ, 日本の大学図書館は学士力養成のために不可欠な支援組織となるべきだと述べ,そのために授業内容に即した連携を行うことが重要だと解説しました。 次に,附属高等学校池田校舎の司書教諭である梶木尚美教諭が,「カリキュラムに即した情報リテラシー教育」と題して講演を行いました。学校図書館における情報リテラシー教育について説明した後,同校舎における司書教諭が関わった授業の実践例を紹介し,教科担任・司書教諭・学校司書がチームとなって役割分担をすることや,教科を担当する教員と共同で行う授業デザインの大切さについても述べました。 つづいて,附属図書館職員の川下愛子サービス係員が,授業内容に沿った大学の授業支援について事例報告を行いました。実際の授業支援の課題としては,教員との連携不足が挙げられ,よりスムーズに授業支援を行うためには「担当教員との連携が何よりも大事である」と語りました。 最後に,新津勝二理事・事務局長から「初等中等教育段階における情報教育の重要性」と題した話題提供があり,続けて内島氏,梶木氏,新津理事によるパネルディスカッションを行い,学習指導要領等でいわれる「情報活用能力」について,実際のカリキュラムマネジメントにおいてどのように実施していけばよいかなどについての議論が交わされました。 参加者からは,「図書館との連携を今後も考えていく必要性があることを実感できました」「大学図書館だけでなく,高校の教育についても話を聞けて,大変勉強になりました。教育でどういうアプローチをしていくか,考える機会となりました」などの感想が寄せられました。
講演を行う関西外国語大学特任教授の内島秀樹氏
講演を行う附属高校池田校舎の司書教諭の梶木尚美氏
(学術情報課)