本学情報処理センターの尾崎拓郎講師らが発表した,PC活用の基礎を学ぶ授業の実践報告が,大学ICT推進協議会2017年度年次大会で最優秀論文賞を受賞しました。同協議会は,大学や研究機関等における情報通信技術(ICT)を利用した教育・研究・経営の高度化をはかることを目的に設立され,本学を含め100を超える大学等の機関が参加しています。 本学は2017年度の学部入学生から,ノートPCを必携としました。同時に1年次の必修科目として「ICT基礎a」を開講し,グループでのプレゼンテーション作成と発表などを通して,PC活用能力の向上を図っています。学習到達度を明確にするため,授業を担当する教員が毎週ミーティングを実施し,教授内容や課題,評価基準まで全て統一しており,他に類を見ない取り組みとなっています。 論文では2017年度の「ICT基礎a」について,ネットワークの接続記録,成績評価,アンケートによる意識調査から,成果と課題を明らかにしています。システム面に関しては,授業の初期段階でネットワーク接続などに問題が発生したものの,適切に調整することで安定した運用が可能になりました。意識調査では,8割近くの学生が授業によってICTを活用・応用する能力が身についたと感じた一方,授業の学習負担が多いもしくはやや多いと感じている学生が半数を超えました。また,学習時間と得点率の相関から,復習で最低限の基本をおさえれば得点の向上が見込めることも示されました。こうした詳細な分析が多くの大学にとって参考になる有用な成果であると評価され,最優秀論文に選出されました。 尾崎講師は受賞について,「授業は昨年からですが,調査・調整はその2年前から開始しています。計3年にわたる努力が評価されて嬉しいです。この取り組みは多くの先生方のご協力で成り立っており,心から感謝いたします」と喜びを語り,「他大学の事例を学びながら作りあげたものが,他大学の参考にしていただける事例になったということで,ある意味で恩に報いることができたのかなと思います。しかしまだ始まったばかりなので,これに満足せず,さらにブラッシュアップを重ねていきたいです」と意気込みました。
論文著者の尾崎拓郎講師(中央),佐藤隆士教授(右),片桐昌直教授(左)
「ICT基礎a」授業の様子
(広報室)