附属高等学校天王寺校舎と芸術表現専攻音楽表現コースが合同演奏会

2021.11.11

附属高等学校天王寺校舎と芸術表現専攻音楽表現コースが合同演奏会

 附属高等学校天王寺校舎と教育協働学科芸術表現専攻音楽表現コースによる合同演奏会が、10月21日(木)に東大阪市文化創造館で開かれ、同校で音楽を選択している1年生82人と、同コースの学生22人が練習の成果を発表しました。演奏会の運営は生徒と学生が主体となって行い、それぞれの代表がオンラインで話し合いを重ねてプログラムなどを決めました。当日は新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から一般公開はせず、同校生徒と教員、本学教員などが鑑賞しました。
 演奏会を企画したのは、本学卒業生で同校の芸術科担当の古川裕介教諭。在学中から「もっと学校と大学が協働する事業があればいいのに」という思いを持ち続けていた古川教諭は、6月にあった附属天王寺中学校での教育実習をきっかけに開催を思い立ちました。実習生は1年生音楽でシューベルト作曲『魔王』をとりあげ、CD音源を鑑賞する研究授業を行いました。しかし古川教諭はやはり生演奏に勝るものはないと考え、その実習生を招いて『魔王』をピアノで演奏してもらい、古川教諭が歌唱する特別コンサートを開催。すると中学生たちの表情が一気に変わり、目を輝かせて聞き入ったことから、生演奏で聞く音楽の力を実感したといいます。そこで芸術表現部門の山畑誠准教授に協力を依頼し、演奏会を大学の授業の一環として取り入れる形で学生との協働が実現しました。
 演奏会で高校からは、音楽選択生の2クラスと、同校が土曜に開講している特別授業「スーパーサタデー」の音楽受講生がそれぞれ合唱を披露しました。スーパーサタデー講座では、発表曲としてフランスの合唱曲『鳥の歌 Le chant des oyseaux』を選び、グローバル教育部門の井上直子教授を招いてフランス語の基本を学ぶ特別授業も行いました。学生は今回のために管楽器アンサンブルとピアノ二台演奏の2つのチームを結成し、ハイレベルな演奏を見せました。最後には会場全員で『365日の紙飛行機』を歌いました。
 高校側の運営委員を務めた生徒の一人は、「一時期はコロナ禍で開催できるか不安でしたが、無事に成功させることができて本当に良かったです。音楽の壮大さや素晴らしさを改めて感じることができました。関わってくださったすべての方に感謝の気持ちを伝えたいです」と話しました。また参加した生徒たちからは、「自分たち以外のクラスや大学生の発表を見て、もっとがんばろうと思う原動力になった」「本格的なホールでの発表の場があることでモチベーションが上がった」「次は大学のオーケストラと共演してみたい」などの感想が寄せられました。学生代表の一人である同コース3回生の阪井彩花さんは、「天王寺校舎の先生方、本学の先生方、ホールのスタッフの皆さんをはじめ、たくさんの方々のお力添えのおかげで無事この日を迎えることができました。私たちはこれからも音楽を通して芸術文化の発展に貢献していきたいと考えています」と語りました。
 古川教諭は「緊急事態宣言下で思うように練習ができない時期もありましたが、Zoomを活用しての打ち合わせやパート別オンラインレッスンなども取り入れ、準備・練習を進めました。音楽を心から楽しんで演奏している生徒たちの姿を見ると、有意義な企画であったと確信しています」と振り返り、「これを機に、音楽を通した高大連携を今後も力強くすすめ、授業交流から大学生と高校生が協働して演奏するような企画まで様々な可能性を探り、高大連携のモデルケースとして広く世間に発信できるよう取り組んでいきたいです」と展望を述べました。

 

「スーパーサタデー」受講生の合唱の様子
スーパーサタデー受講生による『鳥の歌 Le chant des oyseaux』(指揮:古川裕介教諭)

音楽選択生による合唱の様子
クラス全員で楽しみながら合唱する生徒たち

学生の管楽器アンサンブルグループによる演奏の様子
学生チーム「OKUtet(オクテット)」は息の合った管楽器八重奏を披露

学生チームによるピアノ二台演奏の様子
学生チーム「Melodious」はピアノ二台の華麗な音色を響かせた

運営委員の生徒と学生のオンラインミーティングの様子
運営委員の生徒と学生代表とのオンラインミーティング

2021年11月12日掲載
(広報室)