奈良学園中学校・高等学校のスーパーサイエンスハイスクール(SSH)事業の一環として取り組んでいる「奈良学ゼミ」(*1)への協力を、理数情報教育系の深澤優子准教授が7月24日(木)に柏原キャンパスの未来型教室(A313)で実施し、中学校1年生~3年生の11人が参加しました。
今回の実施内容は、これからSSHの課題研究に取り組む生徒に向けたもので、生徒は科学的な方法や表現について説明を受けた後、「形や色が同じ10個のおもりの物質を見分ける」課題に取り組みました。日常での経験や、これまでの授業で学習した内容をもとに、物の性質(物性)に注目して仮説を立て、2~4人のグループで実験を行い、結果はオンラインで全体共有しました。共有された結果をもとに検討結果を「科学的な表現」を意識した方法で発表し、10個のおもりを見分けることに成功しました。
その後、マイコン(*2)でセンサーの値を読み取るプログラミングの体験を行いました。これは、身の回りには物性を活用した便利な道具があること、また、SSHの課題研究にものづくりの視点を取り入れることを意識するためのものです。さらに株式会社アーテックの協力のもと、貸与された「アーテックロボ2.0」を使って、センサーで感知して目的の動作をする道具の仕組みを確認しました。
参加した生徒たちは、「何で電気が流れないのだろう?もう一度調べてみよう」と予想と違う結果に対し何度も調べ直したり、補助の大学生からヒントをもらったりして「おもりに塗られているペンキが電気を通さないんだ」と仮説や条件を振り返ったりしながら「科学的な方法」に沿って活動しました。
また、補助として参加した大学生は「生徒たちが真剣に話を聞いてノートをとる様子に感心しました」「活動を楽しみながら、学年をこえて協働する姿が印象的で教員になった際に参考になりそうです」と話しました。
*1 奈良学ゼミ…学校法人奈良学園において中学生を含む全学年を対象として、生徒の科学への興味の裾野を広げるため、研究所や企業、大学等に訪問して体験的に学ぶ活動
*2 マイコン…電気機器を制御するための小さなコンピュータ
授業をする深澤准教授
生徒の様子
(理数情報教育系)