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2016.10.26

附属平野小で財政を学ぶ授業を実施

 財務省による「財政教育プログラム」が9月1日(木),本学附属平野小学校の6年生119人を対象に実施されました。
 財務省は全国の教育機関で財政教育授業を展開するため,平成27年度より全国国立大学附属学校園PTA連合と連携して授業開発に取り組んでいます。平成27年6月に最初の実践が同校で行われており,今回,さらに小学生向けに最適化するため,丸野亨副校長をはじめとする同校教員がプログラム開発に参画しました。当日は財務省や全国附属学校の関係者,大学教員など,約90人が視察に訪れました。
 授業は,財務省大臣官房文書課広報室の當間和幸課長補佐が講師を務めました。當間氏は冒頭,税金が使われる社会保障の身近な例として,歯医者の治療費を挙げました。子どもたちは,一度の治療で本当は1万円以上かかっていることを知ると声をあげて驚き,身を乗り出して當間氏の話に聞き入りました。
 公共サービスとは何か,歳入と歳出などについて学んだあと,子どもたちは4人1組の班に分かれてワークショップに取り組みました。日本を100人の村として予算の編成を考えるもので,社会保障や借金返済などの歳出と,所得税や消費税といった歳入について,項目ごとに前年より増やすか減らすかを話し合いました。子どもたちは村の医療や教育の状況,人口推移,借金などの資料を参考にしながら,「税金を増やせば借金が返済できる」「高齢化で医療費や年金が増える」などと様々な意見を交わし,タブレット端末に予算の増減を入力していきました。最後は3つの班が全員の前で発表しました。
 授業後には,視察に訪れた関係者による振り返りも行われ,児童に関心を持たせる授業づくりや,事前授業の重要性などについて意見交換しました。
 當間氏は今回の授業について,「高校や中学でも授業をしましたが,小学生の場合はそれをただ簡単に話せば済むというわけにいかず,どこまでなら理解できるのか,集中力をどう保つかなど,丸野副校長に様々なアドバイスをいただきながら作り上げました。時間配分など改善すべき点もあるので,先生方と協力しながら発展させていきたい」と話しました。丸野副校長は,「附属平野小学校で始まった財政教育プログラム。予算を考えることを通して,我が国の未来をそうぞうするもので,2学期の6年生にとっては少し背伸びする内容ですが,『主権者教育』のいい取り組みになっています。これからも財務省・財務局の方々と連携して,プログラムをブラッシュアップしていきたいです」と語りました。

當間和幸課長補佐
グループワークの様子
タブレット端末に入力する様子
予算の増減結果を発表

[左上写真]當間和幸課長補佐
[右上写真]班の仲間と村の予算を話し合う
[左下写真]タブレット端末に予算の増減を入力
[右下写真]考えた予算案を全員の前で発表

(広報室)