学校危機メンタルサポートセンターが,平成27年度教職員研修【中級A】を8月20日(木)に,同センターで開講しました。学校安全と防災への意識を高めることを目的に,全国の教職員および教育委員会指導主事を対象として,平成25年度より毎年実施しています。今回は,東は青森県,西は岡山県までの4府県から,校種もさまざまな13人の教職員が受講しました。 同センタースタッフによる講演では,まず豊沢純子准教授が,防災教育における心理学からのアプローチをテーマに,防災教育に心理学の知見が活用できるとして,子どもの認知発達段階を考慮したデジタル教材を用いた,様々な生活場面での災害イメージ力の向上の可能性を説明しました。 続いて,元池田警察署長の森池良朝客員教授が「防犯の理論と実践」と題して,危険ドラッグの現状と学校における防止策について,自身の経験を踏まえて講演しました。 休憩をはさみ,後藤健介准教授が,防災教育における工学からのアプローチとして,学校防災マップを取り入れた防災教育について説明し、フリーソフトウェアを用いたマップの作成手順について、受講者がタブレットPCを使いながら演習を行いました。 最後に藤田大輔センター長が,これからの学校安全の進め方・考え方について,過去の事例をもとに,学校の管理下における危険発生を予防する取り組みや,災害や事故・事件が発生した場合の学校としての対処法などについて解説しました。 講演の後,今回の研修内容をふまえた演習として,危機管理マニュアルの作成を目的としたグループワークを実施しました。震度6の地震が発生し,1時間後,学校に津波が到達するケースを想定し,役割を割り振って,時間内でいかに安全に避難させるかというテーマで,「トランシーバーで連絡を取り合うのはどうか」「避難場所の高台は本当に安全か,確認が必要では?」など白熱した議論が展開されました。 受講者からは「いかに自分の学校の対策が不十分だったかを痛感しました」「過去の事例をもとに,具体的で生きた実効策を学べました。マニュアルの改訂や教職員への意識改善に活かしていきたいです」との声が寄せられました。
[左写真]講演の様子[右写真]大規模地震・津波を想定したグループワーク
(広報室)