大学院教育学研究科 理科教育専攻
大学院教育学研究科 理科教育専攻
大学院改組に伴い、今秋実施予定の平成31年度大学院教育学研究科(修士課程)入試 (平成31年4月入学)は、学校教育専攻、特別支援教育専攻、国語教育専攻、英語教育専攻、社会科教育専攻、数学教育専攻、理科教育専攻、家政教育専攻、技術教育専攻、音楽教育専攻、美術教育専攻、保健体育専攻、養護教育専攻、実践学校教育専攻の14専攻について募集を停止します。
それらの専攻は大学院連合教職実践研究科(連合教職大学院)に移行し新しいコースが設置されますので、受験をお考えの方は、こちらをご参照ください。現時点でお知らせできる情報をFAQで掲載しています。
なお、国際文化専攻、総合基礎科学専攻、芸術文化専攻、健康科学専攻(夜間)は引き続き募集を行い、試験を実施します。
自然科学の教育・研究を推進し得る人材を養成
●取得可能な免許状
小学校教諭専修免許状
中学校教諭専修免許状[ 理科 ]
高等学校教諭専修免許状[ 理科 ]
※専修免許状の取得には、取得しようとする免許状に対応した一種免許状を有している必要があります。なお、入学時に一種免許状を取得されていない方には教育職員免許状取得プログラムの制度もあります。

目的
理科教育専攻では、大学の学部教育で培った基礎の上に立ち、自然科学や理科教育学の専門分野についての研究能力のさらなる育成を目指します。そして、学校教育の場において指導的な立場にたち、理科や自然科学の教育並びに研究を推進し得る人材の養成を目的とします。そのために、専攻として、物理学、化学、生物学、地学、理科教育学の5つのコースを設けています。そして、各専門分野についての研究を深めるとともに、広い視野と柔軟な思考力をもって、得られた成果を学校教育の場で活かし得る資質・能力の向上を図ります。そして、高い専門性に裏打ちされた実践力のある理科教員、創造性豊かな科学教育の実践者、倫理観の高い教育者の育成を目指します。
概要・特色
理科教育専攻では、各コースで開講される専攻専門科目を幅広く履修することで、自然科学と理科教育学に関する高度な専門性を養います。教育実践関係科目の「理科教育実践研究」では、理科の各分野における実験・観察を中心とした授業の実践方法を研究し、さらに附属学校の教育研究会に参加して授業の分析・評価方法を研究します。修士論文では、各自が所属する研究室での研究活動を通して、科学的思考方法、実験・観察の技術と指導方法、理科教材の開発・活用の技能などを体得します。総じて、幅広い分野にわたる素養を持ち、学校現場において指導的立場で理科教育を実践できる教員を養成します。
物理学 コース | 物理学における基本的な方法論や専門的な知識の上に、実践的な指導力や教材開発能力を養成するための研究を深めます。また、教育現場にあって重要な「理科実験」や、それに必要な「ものづくり」を中心とした理科教育に関して、指導的な能力を持った理科教員の養成を行います。 |
化学 コース | 責任をもって理科を教えるには、自分自身が自然科学についての研究を経験し、自然科学を理解することが必須です。化学の専門的な研究を核とし、研究から得られた知識や技術を活かし、小中高生を対象とした各種化学実験や学校と連携した理科学習の実践研究に取り組みます。 |
生物学 コース | 植物分類・生態学、動物系統分類学、遺伝学、生化学など生物学諸分野の学術研究を核とした生物教育を行います。また、授業や院生間の交流を通して生命科学に対する総合的な理解を深めます。さらに、地域の小学校と連携した森林体験学習や学部授業のティーチングアシスタント制などを利用して生物教育に対する実践的な研究を行います。 |
地学 コース | 地球環境問題とも関わる、空間的スケールの大きさ、時間的スケールの長さという特徴を持つ地学全般について、基本的な知識や方法論を修得します。また、天文学・気象学・地質学の専門的知識を活かした学術研究を行い、実践的指導能力を養成するための研究を深めます。さらに、野外実習やコンピュータ教材に関する指導的能力をもつ理科教員を育成します。 |
理科教育学 コース | 理科指導の力量形成に向けて、児童・生徒の科学的思考や概念形成、指導や評価の方法、教材・カリキュラム開発をはじめとする理科教育学の理論の習得を深めます。さらに、近年は21世紀型学力の育成がめざされていることから、教科教育学の専門性に軸を置き、実践的な研究活動の機会を通じて、理科教員としての教職専門性をさらに発展させます。 |
主な開講科目(平成28年度)
※…教育科学関係基礎科目◎…教科・特別支援・養護教育関係基礎科目☆…現代的教育課題に関する科目
コース | 教育研究分野 | 授 業 科 目 | 単位数 | 担 当 教 員 | 授 業 内 容 | 履修区分 | 履修年次指定 | |
(教育実践) | 理科教育実践研究 | 2 | 福江 純 鈴木 康文 神鳥 和彦 川村 三志夫 畦 浩二 石川 聡子 深澤 優子 種田 将嗣 岡崎 純子 生田 享介 松本 桂 吉本 直弘 | 附属学校の研究授業を参観し,研究協議に参加するとともに,授業分析をおこなう。さらに,物理教育、化学教育、生物教育、地学教育に関するカリキュラム、教材・教具、指導法、評価のあり方等を,調査・研究する。 | 必修 | |||
物理学 | 物 理 学 | 物理教育総合演習 | 2 | 深澤 優子 | 物理教育における教材・器具を題材に文献学習を行い,それらの仕組みや構造について理解を深め,有効な活用方法を検討する。 | 選択 | ||
固体物理学 | 2 | 鈴木 康文 | 希ガス結晶,イオン結晶,共有結合結晶の結合様式と結晶構造及び金属,半導体,絶縁体の電気的性質と電子構造について概説する。 | 選択 | ||||
実験物理学演習 | 2 | 深澤 優子 | 固体物理学,原子分子物理学,イオンビーム物理学などにおける基礎的な実験物理学の手法について,実習形式で学ぶ。 | 選択 | ||||
物理教育内容学 | 2 | 鈴木 康文 | 小・中・高等学校で扱う物理に関する内容について,やや深く掘り下げながら説明する。各分野からテーマを選び,教材開発や模擬授業を行う。 | 選択 | ||||
化学 | 化 学 | 機能性無機化学 | 2 | 神鳥 和彦 | 機能性を有する無機材料の調製法とその構造に関する一般的な解説を行う。 | 選択 | ||
コロイド・界面化学 | 2 | 日常生活で現れるコロイド・界面化学的事象の理論的概説を行う。 | 選択 | |||||
構造化学特論 | 2 | (兼)横井邦彦 | 分子・イオンの持つ構造的特徴を論じ,それらがかかわる均一系・不均一系における反応性について概説する。 | 選択 | ||||
超分子化学 | 2 | 種田 将嗣 | ホストゲストの化学をはじめとした超分子化学の基礎を学び,クラウンエーテルやシクロデキストリン等の機能性有機分子についての知識を身につける。 | 選択 | ||||
有機合成化学特論 | 2 | 有機合成において実用的な人名反応について,反応機構と使用例を学ぶ。 | 選択 | |||||
生物学 | 生 物 学 | 生化学特論 | 2 | 川村三志夫 | 酵素化学に関する専門的な知識を深める。 | 選択 | ||
動物系統分類学特論 | 2 | 生田 享介 | 動物系統分類学に関する専門的な知識を深める。 | 選択 | ||||
植物分類・生態学特論 | 2 | 岡崎 純子 | 植物の生態学・分類学に関係した最近の研究を題材にして,生物学の進化に関わる研究史を広い視点により考察する。 | 選択 | ||||
生物学演習 | 2 | 川村三志夫 岡崎 純子 生田 享介 | 学部で習得した生物学の専門知識を基礎に,各自が最も興味を持つ生物学的事象をテーマに選び,欧文雑誌から関連した最新の学術論文を検索収集し,その研究内容をまとめて発表し討論を行う。 | 選択 | ||||
地学 | 地 学 | 天文学I | 2 | 福江 純 | 宇宙流体力学およびブラックホール宇宙物理学について概説する。 | 選択 | ||
天文学II | 2 | 降着円盤や宇宙ジェットなど,活動的天体現象について考察する。 | 選択 | |||||
天文学特論I | 2 | 松本 桂 | 激変星などの突発的変動現象を示す天体について考察する。 | 選択 | ||||
天文学特論II | 2 | 活動的天体の観測の解析手法について論じる。 | 選択 | |||||
気象学I | 2 | 吉本 直弘 | 小中学校における気象学に関連する学習内容について,その学問的背景を講究する。 | 選択 | ||||
気象学II | 2 | 気象観測について,その準備・実施・解析の方法を論じる。 | 選択 | |||||
地質学特論 | 2 | (兼)廣木義久 | 地球学における個別の問題について,論文を読みながら議論する。また,野外での露頭観察を行いながら議論する。 | 選択 | ||||
理科教育学 | 理科教育学 | ◎ | 理科教育特論I | 2 | 畦 浩二 | 科学論の立場から,また自然認識の立場から,科学教育のあり方を考察する。 | 必修 | |
◎ | 理科教育特論II | 2 | 石川 聡子 | 理科教育の変遷,目標,カリキュラム,授業方法,評価などについての基礎理論を講義する。 | 必修 | |||
理科教育特論演習 | 2 | 畦 浩二 | 海外の科学教育の動向を教科教育学の立場から分析し考察する。 | 選択 | ||||
☆ | 環境教育特論 | 2 | 石川 聡子 | 科学技術と社会の関わり,持続可能性に注目しながら,環境教育について講究する。 | 選択 | |||
(課題研究) | 課題研究I | 3 | 担当教員表 | 研究分野に関連する特定の課題を設定し,研究する。 | 必修 | II | ||
課題研究II | 3 | 必修 | II |
平成29年度募集人員
平成28年度 現学生数・入試結果
現学生数 | 受験者 | 合格者 | 入学者 |
19 | 12 | 8 | 7 |
※現学生数は平成28年5月1日現在の人数です。
修了生の進路(過去3年間の集計)
教員(大阪府内) | 教員(大阪府以外) | 教員率(左記計) | 企業 | 公務員 | 進学 | その他 |
44% | 17% | 61% | 26% | 0% | 9% | 4% |
教員紹介 (教員総覧にリンクしています)
物理学コース [教授]越桐 國雄・ 鈴木 康文/[准教授] 深澤 優子
化学コース [教授] 神鳥 和彦/[准教授] 種田 将嗣
生物学コース [教授] 川村 三志夫/[准教授] 生田 享介・岡崎 純子
地学コース [教授] 福江 純/[准教授] 吉本 直弘・松本 桂
理科教育学コース [教授] 畦 浩二・石川 聡子
→こちら理科教育講座のページもご参照ください。