大学院教育学研究科 社会科教育専攻
大学院教育学研究科 社会科教育専攻
大学院改組に伴い、今秋実施予定の平成31年度大学院教育学研究科(修士課程)入試 (平成31年4月入学)は、学校教育専攻、特別支援教育専攻、国語教育専攻、英語教育専攻、社会科教育専攻、数学教育専攻、理科教育専攻、家政教育専攻、技術教育専攻、音楽教育専攻、美術教育専攻、保健体育専攻、養護教育専攻、実践学校教育専攻の14専攻について募集を停止します。
それらの専攻は大学院連合教職実践研究科(連合教職大学院)に移行し新しいコースが設置されますので、受験をお考えの方は、こちらをご参照ください。現時点でお知らせできる情報をFAQで掲載しています。
なお、国際文化専攻、総合基礎科学専攻、芸術文化専攻、健康科学専攻(夜間)は引き続き募集を行い、試験を実施します。
広い世界で生起する様々な社会問題を探求
●取得可能な免許状
小学校教諭専修免許状
中学校教諭専修免許状〈社会〉
高等学校教諭専修免許状〈地理歴史、公民〉
※専修免許状の取得には、取得しようとする免許状に対応した一種免許状を有している必要があります。なお、入学時に一種免許状を取得されていない方には教育職員免許状取得プログラムの制度もあります。

目的
社会科教育専攻では、一地域から地球規模の範囲で生起する様々な社会問題に対して、専門分野並びに教育実践についての研究能力を育成し、社会科学・人文科学に関わる教育研究を指導的立場で推進しうる人材を養成することを目的としています。そのために、専攻に歴史学、地理学、法学・政治学、経済学、社会学、哲学・倫理学、社会科教育学の7つのコースを設け、それぞれの視点からの教育と研究を行うとともに、環境、共生、国際理解等の多面的な問題について
も、広い視野からの知見を提供し、これによって鋭い探求力と柔軟な思考力をもち、学問の成果を社会的活動と学校教育に具現しうる創造性豊かで倫理観の高い指導者の育成を目指します。
(平成28年度時点で、法学・政治学及び経済学は専任教員が欠員となっています。)
概要・特色
本専攻にあっては、①教科教育を通じた指導力向上、②社会科関連各教科の内容研究、を主として、さらに③専門科学分野の学問的研究、の3つの能力の向上を目指しています。
現在、大学院には、各学年15名前後が在学しています。大学院修了後の進路は、小中高校教諭、公務員、他大学院博士課程進学、一般企業など多様ですが、近年の教員志望者の採用率は高くなってきています。また、現職の教員が大学院で学んだのち、現場に戻ることも珍しくありません。本専攻の特色は、「一地域から地球規模の範囲で生起する様々な社会問題への学問的探求」とこれに関連する「学校教育での教授法と教材開発」という多様なニーズに応じることにあります。それに応じるために、専任14名を含む20余名の教員が60種類に及ぶ幅広い講義と演習を提供しています。
各コースは、社会科教育専攻のみならず、各々の関連分野についての教育ニーズに応え、また、環境・共生・国際理解など多面的な問題についても、広い視野からの見方を提供しています。これにより、小学校生活科、小中学校社会科、高校地歴、公民科の実践的指導力の向上(各専修免許取得可)と、学生の学問的資質や総合的教養の向上とを図ることができます。
学生は、一つのコースの専門分野を深く追求することも、コースあるいは専攻を越えて指導を受けることもできます。
勉強の環境として、教室と図書館のほかに、教員研究室に隣接したコース毎の共同研究室があり、そこには専門書・専門雑誌、研究用机、コピー機、コンピュータなどが設置されています。大学院生は、いつでもそこで勉強し、教員から懇切丁寧な指導が受けられます。またティーチングアシスタント制度などを利用して、実習や演習などで学部学生の指導もすることがあります。
歴史学 コース | 日本史と世界史上の事実とそれをめぐる様々な問題を明らかにする方法、それらの事実に関する様々なとらえ方、そして、それらの事実を現在のわたしたちが学ぶ意味などについて研究します。その上で、自ら問いを立て、自ら調べ、歴史的事実とその多様な意味を明らかにできる知識と能力を身につけた教員を養成することを目指しています。 |
地理学 コース | 地理学コースでは、自然地理学、人文地理学、地理教育に関わる研究に取り組んでいます。野外調査や地理情報システム(GIS)の活用といった技能の習得を重視しています。特に、GISの活用のために、10人程度が同時にGISソフトウェアを利用できる環境を整備しています。それらの活動を通して、高度な地理的技能を身につけた教員の養成を目指しています。 |
社会学 コース | 人と人との関係を研究する社会学の方法論をもとに、現代社会の諸問題や身近な人間関係など、幅広い社会的事象について研究します。とくに社会調査(質問紙調査・インタビュー調査・フィールドワーク・統計資料収集など)の専門的知識と実践的技能を活かし、社会科分野に関わる「調べ学習」などの探究的学習において高い指導力を身に付けた教員を養成することを目標にしています。 |
哲学・倫理学 コース | 「教育とは何か」、「自己とは何か」、「善とは何か」、「神とは何か」などのさまざまな問いから哲学・倫理学は出発します。哲学・倫理学コースでは、幅広い専門領域を持った3人の教員の指導のもと、西洋・日本の哲学者・思想家・宗教家のテキスト読解を中心におきながら、各学生の問いを学問的に深めることを目指しています。 |
社会科教育学 コース | 社会科教育学の中に諸科学の知見に代わるものがあるわけではありません。一方、社会科に関わる諸専門科学を極めてもどのように社会科授業を実施すれば良いのかという問いに対する答えが得られるわけではありません。 社会科教育学コースでは、さまざまな見地から社会科授業の構想、実践、評価にアプローチします。各教員が担当する授業や課題研究の他に、コース全体で取り組む合同課題研究の機会を設けています。 |
主な開講科目(平成28年度)
※…教育科学関係基礎科目 ◎…教科・特別支援・養護教育関係基礎科目 ☆…現代的教育課題に関する科目
コース | 教育研究分野 | 授 業 科 目 | 単位数 | 担 当 教 員 | 授 業 内 容 | 履修区分 | 履修年次指定 | |
(教育実践) | 社会科教育実践研究I | 2 | 手取 義宏 松本啓二朗 山田 周二 櫻澤 誠 | 社会科専門科学と教科教育学の協働のもと,小学校社会科教育における教材開発,実践,分析等の総合的実践演習を行う。 | 選択必修 | |||
社会科教育実践研究II | 2 | 峯 明秀 伊藤 敏雄 山近 博義 倉本 香 | 社会科専門科学と教科教育学の協働のもと,中学校社会科教育における教材開発,実践,分析等の総合的実践演習を行う。 | 選択必修 | ||||
歴史学 | 日本史学 | 日本考古学特論 | 2 | 非常勤講師 平田 政彦 | 日本考古学に関する研究論文・図書を取り上げ検討する。 | 選択 | ||
日本中世史特論 | 2 | (兼)綿貫友子 | 日本中世史に関する研究論文・図書を取り上げ検討する。 | 選択 | ||||
日本近世史特論 | 2 | 非常勤講師 熟 美保子 | 日本近世史に関する研究論文・図書を取り上げ検討する。 | 選択 | ||||
日本近代史特論 | 2 | 櫻澤 誠 | 日本近代史に関する研究論文・図書をとりあげ検討する。 | 選択 | ||||
外国史学 | 東洋史特論II | 2 | 伊藤 敏雄 | アジア古代史に関する文献(中文・英文を含む)を取り上げ,考察・検討しながら,アジア古代史の理解を深める。 | 選択 | |||
東洋史演習 | 2 | 東洋史に関する研究テーマについて,研究発表を行い,討議する。 | 選択 | |||||
西洋史特論II | 2 | 田中ひかる | 西洋近現代史に関する文献(英文を含む)を取り上げ,考察・検討して,欧米近現代史について理解を深める。 | 選択 | ||||
西洋史演習 | 2 | 西洋史に関する研究テーマについて研究発表を行い,討議する。 | 選択 | |||||
歴史教育論 | ◎ | 歴史教育論I | 2 | 田中ひかる | 歴史教育の方法について考察する。 | 選択必修 | ||
地理学 | 地理学 | 人文地理学特論II | 2 | 山近 博義 | 地図や各種資料を基に,人文地理的な事象について,地域調査を行う。 | 選択 | ||
自然地理学特論I | 2 | 山田 周二 | 高校地理教科書を用いて,自然地理学の内容について,受講生が模擬授業を行う。 | 選択 | ||||
地理教育論 | ◎ | 地理教育論II | 2 | 水野 惠司 | 地理教育に関する基礎文献を講読し,方法論と内容論を考察する。 | 選択必修 | ||
経済学 | 経済学教育論 | ◎ | 経済学教育論 | 2 | (兼)裴 光雄 | 経済学教育に関する基本文献を講読し,方法論と内容論について講義する。 | 選択必修 | |
社会学 | 社会学 | 社会学特論I | 2 | 串田 秀也 | 社会的相互行為に関する基礎的な議論を取り上げ,解説し,討論する。 | 選択 | ||
社会調査特論 | 2 | 小林 和美 | 社会科の教育に必要な社会調査の理論と方法を講義する。 | 選択 | ||||
◎ | 社会学教育論 | 2 | 串田 秀也 小林 和美 | 社会科における社会学分野の内容を教育するための基礎的な考え方と方法論を講義する。 | 選択必修 | |||
哲学 ・ 倫理学 | 哲学・倫理学 | ☆ | いのち教育 | 2 | 岩田 文昭 | 「いのち教育」の日本での実践状況と課題を探るとともに,その具体的方法を提案する。 | 選択 | |
哲学・倫理学特論I | 2 | 松本啓二朗 | 古代から近代にかけての哲学・倫理学の文献を講読し,様々な問題について討論する。 | 選択 | ||||
哲学・倫理学特論II | 2 | 近現代の哲学・倫理学の基本文献を講読し,様々な問題について討論をする。 | 選択 | |||||
哲学・倫理学特論III | 2 | 倉本 香 | 西洋近代の思想が現代社会に何をもたらしたかを考察する。 | 選択 | ||||
哲学・倫理学特論IV | 2 | (兼)福嶋 正 | 中国文化史上の諸問題の研究 | 選択 | ||||
◎ | 哲学・倫理学教育論 | 2 | 倉本 香 | 近代教育の特質とその問題点を哲学倫理学的に考察する。 | 選択必修 | |||
社会科教育学 | 社会科教育学 | ◎ | 社会科教育総論 | 2 | 飯島 敏文 | 社会科の教育課程上の意義,社会科の教育目標,教育課程,授業方法論,評価論,授業分析論など,社会科という教科に関しての包括的解説と考察をおこなう。 | 必修 | |
社会科教育学特論II | 2 | 峯 明秀 | 価値判断・意思決定・社会参加学習に関する国内外の理論・実践を収集・分析し,授業モデルを開発する。 | 選択 | ||||
社会科教授学特論I | 2 | 手取 義宏 | 社会科教育におけるICTおよびメディアの活用について理論的・実践的に考察する。 | 選択 | ||||
社会科教授学特論II | 2 | 飯島 敏文 | 自らの生活空間である「郷土の教育的価値」「教育的機能」を再確認し,社会科授業における実践レベルでその実現を試みる。 | 選択 | ||||
(共通科目) | ☆ | 東アジア認識研究 | 2 | 小林 和美 伊藤 敏雄 櫻澤 誠 | 歴史学・社会学・経済学などの複数の学問的視角から,社会科の教育における東アジア認識のあり方について検討する。 | 選択 | ||
(課題研究) | 課題研究I | 3 | 担当教員表 | 研究分野に関連する特定の課題を設定し,研究する。 | 必修 | II | ||
課題研究II | 3 | 必修 | II |
平成29年度募集人員
平成28年度 現学生数・入試結果
現学生数 | 受験者 | 合格者 | 入学者 |
24(2) | 22(4) | 20(3) | 14(2) |
※現学生数は平成28年5月1日現在の人数です。
修了生の進路(過去3年間の集計)
教員(大阪府内) | 教員(大阪府以外) | 教員率(左記計) | 企業 | 公務員 | 進学 | その他 |
60% | 17% | 77% | 5% | 0 | 2% | 16% |
教員紹介 (教員総覧にリンクしています)
歴史学コース [教授] 伊藤 敏雄・田中 ひかる/[准教授]櫻澤 誠
地理学コース [教授] 水野 惠司・ 山田 周二・山近 博義
社会学コース [教授] 串田 秀也・小林 和美
哲学・倫理学コース [教授] 岩田 文昭・倉本 香/[准教授] 松本 啓二朗
社会科教育学コース [教授] 飯島 敏文・手取 義宏・峯 明秀
→こちら<社会科教育講座のページ>もご参照ください。