教員養成フラッグシップ大学に指定された4大学(大阪教育大学、東京学芸大学、福井大学、兵庫教育大学)が、今後の教員養成の在り方をけん引し、変革していくための知見や成果を共有し、全国へ発信することを目的として、教員養成フラッグシップ4大学協議会を設置しました。この設置に関する協定調印式を、令和7年9月26日(金)にみらい教育共創館にて実施しました。
令和8年2月には協議会事務局を置く本学のウェブサイト内にて協議会ページを公開し、協議会の活動状況を掲載しています。
「『教員養成の課題と未来』シンポジウムー教職課程の在り方等の検討のためにー」を令和7年9月26日(金)にみらい教育共創館にて対面及びオンラインのハイブリット形式で開催し、142人が参加しました。
本シンポジウムは教員養成フラッグシップ大学に指定された4大学(大阪教育大学・東京学芸大学・福井大学・兵庫教育大学)の発表を通じて、これからの教員養成の在り方を論じることにより、「令和の日本型学校教育」を担う教師の育成に向けた改革を構想することを目的に開催しました。

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学校教育教員養成課程の2年生必修科目として、フラッグシップ特例科目4領域群のうち、「教科横断と探究学習Ⅰ」「教育データの活用Ⅰ」「ファシリテーターとしての教員Ⅰ」「学習者中心の授業デザインⅠ」を開講しました。
これらの発展的な位置付けとなる3年生配当科目については、令和8年度の開講を予定しており、みらい教育共創館のパートナー企業4社が作成したオンデマンドコンテンツを使用し、教育課題の解決事例や教育データの具体的な活用手法を学ぶ内容を取り入れることをめざして準備を進めています。
また、令和7年度から学校教育教員養成課程・養護教諭養成課程の2年生必修科目として、「教職専門性と省察」を開講しました。
学生が「なりたい教師像」を探究するための省察活動を行うにあたり、教職課程全体における省察活動の体系化に向けた取組を進め、学年進行に応じた教育実践活動、実践活動を通して生じる発達課題、そして省察のテーマ等について可視化した「自分づくりカレンダー」を作成しました。
【関連リンク】
自分づくりカレンダー
教職大学院
教職大学院と教育学研究科との相互履修科目として、令和7年度から「多職種協働による組織マネジメント」を開講しました。多様な人材が学校現場の課題解決にどのような役割を担うかを題材とし、学生の対話的な学びによる「チーム学校」型の教育実践のモデル化に取り組みました(履修者数:教育学研究科47名、連合教職実践研究科113名、計160名)。
学部と大学院の一体的な教員養成カリキュラム
令和7年度より、学部卒業年次の10名が、教職大学院授業の先取り履修を開始しました。教職大学院の授業を先に履修することにより、教職大学院との接続が円滑に進むだけでなく、学部段階から現職教員院生と意見交換ができるなど、より現場に近い視点を得ることができる効果が期待できます。
また、教職大学院に進学後は、学校現場で非常勤講師として勤務しながら実践力を磨くことができます。実際に、先取り履修をした学部学生が教職大学院に進学し、附属学校園で非常勤講師として勤務している事例もあります。
【関連リンク】
先取り履修(本学学部生対象)
学習成果指標及び自己評価尺度の作成
先導的教員養成プログラムを受講した学生の学習成果、資質・能力獲得状況を把握するため、学習成果指標・自己評価尺度を作成し、令和5年の試行を経て、令和6年度から自己評価尺度による測定を開始しました。令和7年度においても同様に測定を行い、学年進行による資質・能力の獲得状況について検証を行い、成果報告書や本学内のFDにおいて検証結果を発表しました。
【関連リンク】
大阪教育大学教員養成フラッグシップ大学事業成果報告書(2025年度版)
大学教員の学習観・授業観の転換を促すFDシステムの構築
教員養成を担う大学教員自身の学習観・授業観の転換を促すFDシステムの構築について、令和5年度までに大学教員の育成目標(指標)を策定し、これをもとに「FD参加自己評価指標の見直し」のサイクルを通じて継続的に改善を図るFDシステムを構築しました。
令和6年度には、本学全教員を対象とした自己評価を試行により実施し、令和7年度に本格実施した結果、約90%の回答率を得ることができました。
産官学連携事業
「みらい教育共創フォーラム2025」を開催
令和7年8月1日(金)、2日(土)に、産官学連携による共創拠点「みらい教育共創館」で「みらい教育共創フォーラム2025」を開催し、2日間で合計482人が参加しました。
2日間にわたって、本学の産官学連携における取組発表や、包括連携協定を締結している教育委員会・本学大学院・附属学校園によるポスター展示、企業におけるブース展示等を行いました。
ポスター・ブース展示会場では、各教育委員会から27点、本学大学院・附属学校から22点のポスター展示が行われ、18の企業のブース展示を行いました。さらに、同フロアではショートピッチ会場を設けて、両日とも多くの人が足を運び、産官学連携による交流及び共創の機会を創出するイベントとなりました。

講演をする水野大阪府教育長

交流会ちらし(PDF 6289KB)
「みらい教育セミナー」を開催
みらい教育共創館では、令和6年4月から「未来の教育をともに創る」を全体テーマとして、教育委員会・学校現場・大学等の教育関係者に向けて、産官学連携による学校教育の高度化に関する内容を扱う「みらい教育セミナー」を定期的に開催しています。
本セミナーのこれまでの実施数は102件となり、延べ5,432人の方にご参加いただいています(令和6年度4月~令和8年度6月実績)。
【関連リンク】
未来の教育の形と「産官学連携」のいまを体感する「みらい教育共創フォーラム2025」を開催
みらい教育共創館イベント実施状況

教育版URA(eRA)
令和6年度に、みらい教育共創館を拠点に、未来志向の教育研究を全学一体で推進するための体制強化と、産業界との協働事業・共同研究、先導的な授業科目の開発や、学校と企業・NPO等を繋ぐ研究支援人材の育成に向けた推進体制の強化を実現すべく、産官学イノベーション共創センターを設置しました。
研究ネットワークの拡充と継続的運営に従事する教育版URA(eRA)の養成に向けて、令和7年度には19名の育成に取り組みました。今後は、産官学が連携し、協働して革新的な教育課程の編成や実施、教材開発の支援などを行う予定です。

特別支援教育バーチャルスクール教材の開発
発達障害等の器質的疾患のほか、環境要因や心理的要因様々な要因による教育現場での児童・生徒の問題行動や学級内でのトラブル事例への対応を3Dアニメーションによるシミュレーション形式で学ぶことができるバーチャルスクール教材の開発を開始しました。
令和6年度までに教材の導入編(児童生徒の様々な行動事例の体験)・学習編(児童生徒の行動事例を個別に解説)のシナリオを試作、フラッグシップ特例科目「多様な子どもとインクルーシブ教育」の授業において試行により活用しました。
令和7年度には、同様に授業で活用するほか、応用編(仮想空間の学級でトラブルが生じた際のAI活用によるシミュレーション学習)を開発しました。
また、令和7年12月13日(土)にみらい教育共創館で発達障害教材活用セミナーを開催し、当日は、小中高の教員、特別支援教育や通級指導に関わる担当者、教育委員会など、多様な立場の関係者34人が参加し、発達障害への理解と指導力向上に向けた意見交換が行われました。
今後は、本学学生に限らず、他の教員養成大学や教育委員会との連携による現職教員研修での活用など、学外への展開も視野に入れて取組を進めていきます。
【関連リンク】
特別支援教育バーチャルスクール教材(教員を目指す学生のための学習教材)を開発
発達障害教材活用セミナーをみらい教育共創館で開催
副専攻プログラムを活用したチーム学校モデル構築
大阪市の学びの多様化学校等とみらい教育共創館に入居する企業と産官学連携による、副専攻プログラム(不登校児童・生徒支援教育プログラム)を活用した「チーム学校モデル」の構築に向けた取組を開始しました。
このモデルでは、令和9年度から開講する「連携協働活動演習」の履修を通じて、教員養成課程の学生が受入校の指導・助言の下、教育協働学科の学生と連携し、協働して課題解決に取り組む中で「チーム学校」を疑似体験することをめざしています。
令和7年10月15日(水)には、本プログラム履修者10人が大阪市浪速区の「大阪市立学びの多様化学校・心和中学校」を訪問しました。訪問時には、校舎や授業の見学のほか、盛岡校長より学校についての説明を受け、質疑応答を行い、学びの多様化学校のあり方や、生徒との接し方など、さまざまな質問をしました。教師や多職種が連携して、多様な学びを実現している心和中学校での見学は、本プログラム履修者にとって大きな学びになりました。
「チーム学校モデル」の構築モデル
【関連リンク】
副専攻プログラムページ
学生が学びの多様化学校である心和中学校を訪問
学び続ける教員を支えるプラットフォームの構築
OZONE-EDU教員研修
大阪教育大学と愛知教育大学が令和6年4月から共同運営するOZONE-EDUは、教員をめざす学生から現役教員まで誰でも自由にアクセスして学習できるオープンエデュケーションプラットフォームです。教育委員会、学校法人、海外の日本人学校等でも、組織的にご活用いただいており、令和7年には新たに6つの市や教育委員会と連携協定を結び、延べ受講登録者数10,000人を突破しました。また、コース数も年々増加しており、令和7年度には70のコースを提供しています。
さらに、OZONE-EDUを活用したマイクロラーニングとデジタルバッジによる教員研修の質向上への貢献やそれを支える効率的かつ安定的な統合システムの実現、積み上げ可能なマイクロクレデンシャルの実現、デジタルバッジの制度的価値づけが評価され、第10回 1EdTech Japan賞「最優秀賞」や第22回 日本e-Learning大賞「専門人材育成特別部門賞」を受賞しました。
【関連リンク】
教員生涯学習プラットフォーム「OZONE-EDU」が第10回 1EdTech Japan賞の「最優秀賞」を受賞
教員生涯学習プラットフォーム「OZONE-EDU」が第22回 日本e-Learning大賞「専門人材育成特別部門賞」を受賞

OZONE-EDUを活用した大学間連携
急速に変化する社会の中で、学校現場を取り巻く課題は多様化・複雑化しており、教師には新たな役割や資質能力が求められています。一方で、全国の教職課程を有する国公私立大学、とりわけ開放制教員養成制度のもとで教職課程認定を受けている大学においては、個々の大学のみでは教職課程を維持することが極めて困難な状況が見受けられます。このような状況に対応する手立ての一つとして、大学間連携により、他大学の教職課程で開設される授業科目を活用しながら教職課程の一層の充実に資することの必要性が高まっています。
令和4年の大学設置基準の改正に伴い設けられた教育課程等に係る特例制度では、文部科学大臣の認定を受けることで、各大学が自ら開設する授業科目によって教育課程を編成しなければならないという原則が緩和され、他大学が開設する授業科目の一部を自大学の開設科目とみなすことが認められるようになりました。
令和6年度に札幌大学、令和7年度に大阪工業大学、公立千歳科学技術大学との連携事業についてそれぞれ特例制度の認定を受け、従来の教職科目に加えてフラッグシップ大学として開発した先導的教職科目を提供することとなりました。
今後は、各大学と連携し運営準備を進め、授業開始後は教育効果の検証及び質保証に取り組みながら、科目提供先の更なる拡充をめざします。
札幌大学との連携イメージ
大阪工業大学との連携イメージ
公立千歳科学技術大学との連携イメージ
【関連リンク】
大阪教育大学×札幌大学
大阪教育大学×大阪工業大学
大阪教育大学×公立千歳科学技術大学
実践的研究に重点を置いた大学院博士課程の設置
令和7年4月に北海道教育大学・大阪教育大学・福岡教育大学の共同課程による博士後期課程である「共同学校教育学専攻」を開設し、15名が入学しました。
同年8月には3大学共同による「未来共創シンポジウム」を開催し、博士課程への進学を希望する学生から、現職教員、大学教員まで、対面とオンラインを合わせて102名が参加しました。教員養成系博士課程の設置趣旨の説明や教員養成及び教員養成学に関する発表と提言が行われたほか、文部科学省総合教育政策局 人材政策課長より、教員養成の高度化に向けた国の取組について説明をいただきました。参加者からは多くの好意的な声が寄せられ、本シンポジウムを通じて、博士後期課程設置の意義、そして教員養成における新たな可能性について、多くの気づきと示唆を得ることができました。

シンポジウムチラシ(PDF 874KB)
【関連リンク】
3大学共同による未来共創シンポジウムを開催しました
