目的は「 多様性とその価値について基本的理念を理解すること」
「自分自身の立ち位置」に目を向ける対話
全8回のうち6回がオンデマンド、2回が対面で行われる「ダイバーシティと教育」。第4回の対面授業では、それまで画面越しに学んできた学生たちが対面し、グループワークを行います。授業の冒頭では、薮田特任准教授から授業を受ける上での「4つのルール」が説明されました。「1つ目、参加しよう。ワークの主役は皆さん自身です。2つ目、尊重しよう。他のメンバーの話を傾聴してください。ワークに正解や期待された答えはありません。3つ目、秘密は守りましょう。ここで話されたことは、ここだけの話。授業の外には持ち出さないでください。4つ目、パスOKです。話したくないことは話さなくて大丈夫。しんどくなったら一時退出しても大丈夫です」。このルールは、自分自身に目を向けるうえで大切です。
第1回から第3回までのオンデマンド講義を振り返ったあと、いよいよグループワークへと移ります。しかし、いきなり話し始めるのではなく、こ
こでも対話を深めるための「ディスカッションの3つの約束」が共有されます。「1つ目、メンバーの話をよく聞くことを大切にしてください。話し手が上手く話すことよりも、聞き手がよく聞くことを大切にしましょう。2つ目、“私”を主語にして話すこと。正直に今の自分の位置から意見を話しましょう。3つ目、当事者がそこにいることを想定して表現を選びましょう。こういう人が嫌い、生理的に無理といった表現は控え、別の表現で“私”の気持ちを伝えられないか工夫しましょう」
「分からない」という本音こそが、深い学びへの入り口
ワークが始まると、ある学生からこんな本音がこぼれ落ちました。「今まで自分と違う境遇の人とあまり関わったことがないから、正直、多様性というものがよく分かっていない」。一見するとネガティブに捉えられそうな言葉ですが、「分からなくなる」ことは薮田特任准教授と齋藤准教授が大切にしていることです。多様な人が共生する社会では、他者に対する慎重さも重要です。薮田特任准教授と齋藤准教授はこう話します。
「この授業を受けると、『自分のことを考えていなかった』と話す学生が多いです。ダイバーシティを学ぶ際、学生の多くは困っている人に優しくしなければと、意識が外に向いてしまいがちです。しかし、この授業では、声を上げることも自分たちの権利だということを学びます。その根底を探ると、『自分も大切にされたい』という抑圧された気持ちに気づくこともあります。だからこそ授業では“あなたが大事”というメッセージを伝えています」
学生へのメッセージ
薮田特任准教授「私たちは学ぶ過程で、答えが
ないということに慣れていません。けれども、今
後現れる新しい人権課題に気づいていくために
は、決まりきったことだけ学ぶのではなく、自分
の考えを話したり、他者の意見を聞いていろいろ
なことを感じたりする経験が必要不可欠だと感
じています。私自身も学生に励まされながら一
緒に頑張っています」
齋藤准教授「自分自身のこれまでを振り返り、自
分の傷やしんどさをしっかり受け止めて、今だか
らこそ考えられることをたくさん考えてほしいで
す。また、自分が何かを不当であると感じたとき
に、適切に声を上げる。そんな力を、知識ととも
に身につけていってほしいと思います」
授業DATA
対象学年 :1回生
主な対象学生:学校教育教員養成課程、養護教諭養成課程、教育協働学科
(2026年5月取材)
※掲載内容はすべて取材当時のものです。
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