令和4年度ICT推進リーダー研修会 修了生との交流会・修了式

2023/01/16
授業内容連携事業
令和4年度ICT推進リーダー研修会 修了生との交流会・修了式

 令和4年11月18日(金)に大阪市教育センターにてICT推進リーダー研修会を,本年度に修了するICT推進リーダーに加え過去に修了した先輩のICT推進リーダーが参加する形で実施しました。

 まず,森田先生(大阪教育大学大学院教授)の挨拶があり,続いて,寺嶋先生(大阪教育大学大学院准教授)が研修のねらいについて話されました。
 今年度で,目標としてきた計100名のICT推進リーダーの育成が達成されることを受け,今後は育成した100名強のICT推進リーダーが大阪全市で,あるいは各区で活躍できるように,支援や研修の在り方を工夫していくことが述べられました。そして,その第1歩となるように,「本日は新旧のICT推進リーダーが交流し,これまで各職場や各区で,あるいは全市でどのような取り組みをしてきたのか,また,計画したことについて,どのようなことが思ったように推進することができなったのか等をしっかりと交流しよう」と話されました。
 また,本年度に修了するICT推進リーダーの方へは,これまでの研修で学んだことやこれからやってみたいことを先輩に発表し,しっかりと意見交流することを示唆されました。


 意見交流では,1班を4名から5名として,計16班が作られ,交流が行われました。
 各班を回りながら,話の内容を聞き取ってみると,「ICT活用していくうえで,やっぱり情報モラルの教育が必要と感じた」とか「他校の研修にできるだけ参加することで自己のレベルアップにつながった」「学級でオンラインを使って夏休みの宿題にチャレンジする活動を実践することができた」,中には「ベテラン教員の方にICTが苦手の方もいらっしゃる。紙媒体でできるのであれば,何もICTをつかわなくてもいいのでは?と問われることがある。でも,紙媒体でもICT活用しても変わらないのであれば,これからの子どもにとってどちらが必要となるのだろうか?と伝え続け校内でのITC機器使用を増やしてきた」等,各自が自分を振り返って発表している姿が見られました。


 グループ交流で班の雰囲気づくりができると,続いて,今後ICT推進リーダーとしてどんなことができるのか,どのような取り組みをするべきなのか,話し合いを深め,各自の実践意欲を高めるため「ICT推進リーダーとしてどんなことができたのか。できなかった課題をどう解決していけばいいのか。」といった視点での交流となりました。
 講師のお二人の先生方や大阪市教育センターの指導主事も各班を回りながら時には議論に加わり,時には話題を広げたり,まとめたりしていました。「教育センター側でできることはないのか」「地域とのタッグでなれることは?」などのワンポイントアドバイスも交わされながら,班の話し合いに熱量が加わってきました。


 研修会のまとめとして,ICT推進リーダーに,「学校には,スキルの差や熱意の差があり,ICT活用が進めないという意見がよく出ます。ICT推進リーダーとしてこれをどう解決するかについて2つ提案してください。」というテーマが与えられました。
 各班では,話し合いを通して次のような提案が作られ,その後の交流会で共通理解を深めました。

・エクセルで仕事を効率化したり,プログラミングの楽しさを伝えたりして,ほかの先生方がパソコンを好きになるように魅力を伝える。また,仕様変更や機器更新の際,その便利な機能が失われないように,現場から強く要望する。
・ICT教育アシスタントさんが積極的に授業に関われるように調整する(事前告知,教室に入りやすい雰囲気づくり,パソコン室ではなく職員室に常駐できる環境づくり)。
・例示してわかりやすい使い方を教えて共有していく。いろんな教員が実際に使ってみて使い方を知る(例:同時編集機能を使った研究授業討議会など)。
・ICTを活用することで子どもの実態の変容(良さ)について目の当たりにしてもらう。やってみたくなる刺激の共有の大切さ。

 本年度の修了者とこれまでに修了されたICT推進リーダーとの熱気につつまれた交流会は,それぞれに,今後どのような実践をしていく必要があるのかを確認する良き機会となり,決意を新たにした皆さんのやる気に満ちた表情がみられました。
 そして最後に,本年度修了される21名のICT推進リーダーに修了証書とICT推進リーダーのバッジが授与されました。


文責:長谷川和弘(大阪教育大学大学院特任教授)